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オカダ再び乱心。「KOPW」って何?
猪木と国際軍以来の1vs.3戦の思惑。
text by
原悦生Essei Hara
photograph byEssei Hara
posted2020/08/21 15:00
高橋裕二郎との戦いは、1vs.3のスタイルとはいえ、まともな戦い方になるわけは無いと思うが……。
まさかKOPW勝者にもIWGPの挑戦権が!?
オカダが会見でふと言った「権利証」という曖昧な言葉が気になった。つまり、なんの権利証の話をしたかったのか? ということだ。新日本プロレスで普通に思いつく権利証は「IWGPヘビー級王座」への挑戦権以外、他にない。
そもそもこの権利証は、G1クライマックスの優勝者に与えられてきたものだが、それと同等の価値をKOPWのタイトル保持者ももらっちゃおうとオカダは目論んでいるのではないだろうか。
今年のG1は秋(9月19日から10月18日)に行われる。素直にG1優勝を狙えばそれで済むはずなのだが、オカダのずる賢い、言い方を変えると「保険的な思惑」がここにはあるような気がしてならない。このちょっとした「悪だくみ」が、オカダのニヤニヤ笑いの仮面の裏側にあるのではないか……。
「風船男」の次は「ニヤニヤ男」に。
IWGPを持っていない時のオカダは、いつも突拍子もない行動に出る。
2年前、2018年夏のG1クライマックスで髪の色を変え「風船男」になった時も意味不明のパフォーマンスを続けて、「すわ乱心か!」とファンを心配させた。当時も、「前の格好いいオカダ・カズチカに戻ろうとは思っていない」とも言い放っていた。あの時は、まだぎこちない笑顔だったが。
今回は格好こそ奇抜ではないが、不自然な感じの「ニヤニヤ男」になっている。オンライン会見で話すときも、説明しながらタブレットに目をやるときも、何がそんなに愉快なのか、終始、ニヤニヤしている。
オカダが「1vs.3でやってやる」と言い放った時には、ちょっと格好良くは映ったが、もともと「(KOPWは)シングルマッチで」と言っていたわけなので、その後に出してきた1vs.3という戦い方のスタイルは、どうにも理解し難い。