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山崎康晃の帝京時代と今を結ぶもの。
「ほんとに悔しい。でも絶対に……」
 

text by

日比野恭三

日比野恭三Kyozo Hibino

PROFILE

photograph byNaoya Sanuki

posted2020/08/07 11:40

山崎康晃の帝京時代と今を結ぶもの。「ほんとに悔しい。でも絶対に……」<Number Web> photograph by Naoya Sanuki

7月26日に満塁弾を浴びて以来、セットアッパーに配置転換。無失点でホールドを重ねて復調気配は見せているが。

山崎は逆境のたびに強くなった。

 インタビューが終わり、記事の掲載誌が発売されるころ、山崎の立場はさらに厳しいものになっていた。

 7月26日のカープ戦で、満塁ホームランの被弾を含む1イニング5失点。負け投手となり、その後は中継ぎとして登板しながら復調を目指すことになった。

 その一方で、新たにクローザーを任されている三嶋一輝は圧倒的なピッチングを見せている。実績のある山崎といえども、そう簡単には元の座に戻れないかもしれない。

 だが、筆者は少しばかり、うれしいのだ。山崎が逆境にあるということはすなわち、悔しさという成長の糧に恵まれていることを意味するのだから。

 スーパーな投手たちの陰で、控えに甘んじた高校時代。ようやくエースナンバーを手にした最後の夏は儚く終わった。悔しくて、あきらめそうになって、そのたびに強くなって帰ってきた。

 2020年の山崎康晃は、どんな姿で最終回のマウンドに戻ってくるのだろう。

 信じて、待ちたい。

Number1008号「甲子園 一敗の輝き」では、「最高の敗戦」をテーマに、山崎康晃、岡本和真、前田智徳、高橋由伸ら豪華スターが高校時代を回想。清原和博、松井秀喜らの傑作記事を再録したブックインブックも封入しました。「エースが語る珠玉の敗戦」企画では、上記の山崎投手をはじめ、和田毅、松井裕樹、川上憲伸が甲子園秘話を明かします。ぜひ本誌をお手にとってご覧ください。

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