酒の肴に野球の記録BACK NUMBER
涌井秀章が狙える史上初快挙って?
週刊セパ好成績&珍記録まとめ。
posted2020/08/04 11:00
text by
広尾晃Kou Hiroo
photograph by
Kyodo News
8月2日、ついに新型コロナ感染による試合中止があった(西武vs.ソフトバンク)。今シーズンはこういう状況を乗り越えて、シーズンを進めていかなければならないと痛感する出来事だった。
【今週の“ぴかイチ選手” 楽天:涌井秀章】
今季、楽天に移籍した涌井秀章が1勝を加え無傷の5勝0敗。パ・リーグのハーラートップに立っている。この活躍を予想した人は少ないのではないか。
涌井は横浜高校時代の2004年夏の甲子園で活躍、ドラフト1巡目で西武に入団。2007年には17勝で最多勝を挙げた。エースにのし上がったが2013年オフにロッテにFA移籍。ここでも先発の柱として活躍するも今年、金銭トレードで楽天に移籍した。
勝ち運に見放された昨年から一転。
昨年の涌井は不運に付きまとわれた。
5月8日に3勝目を挙げたのを最後に、シーズン終了まで勝ち星から見放されたのだ。
この間の投球成績は12試合0勝6敗、68回で防御率5.16と数字上は良くはなかったが、QS=クオリティースタート(6回以上投げて自責点3以下、先発投手の最低限の責任とされる)は6試合あり、3~4勝くらいは挙げていてもおかしくなかった。
涌井は12試合で44失点したが、味方の援護は24点と、涌井が投げたときに味方打線が湿っていたのだ。
今季の涌井は見違えるような成績だ。6試合5勝0敗、37.1回、防御率2.89。7月8日ソフトバンク戦では5回を投げて自責点6ながら味方の援護が11点もあり、白星がついている。QSは4試合、涌井は6試合で13失点だが味方の援護が43点もあった。
プロ野球投手の勝負はまさに「水もの」。涌井は5勝0敗という今の成績も大げさに喜んではいないだろうと思う。