酒の肴に野球の記録BACK NUMBER
涌井秀章が狙える史上初快挙って?
週刊セパ好成績&珍記録まとめ。
text by
広尾晃Kou Hiroo
photograph byKyodo News
posted2020/08/04 11:00
ロッテから楽天に移籍して5勝を挙げている涌井秀章。史上初の“最多勝レコード”達成なるか、注目だ。
涌井含めて過去7人が達成した記録。
筆者は西武、ロッテ、楽天と春季キャンプで涌井の練習の様子を目にしてきたが、朝のウォームアップで彼の笑顔を見たことがない。女性ファンが多い選手だが、クールな表情で体を動かしていた。家でご夫人とそんな表情でご飯を食べているのか……なんてことをつい考えてしまうが、その端正な容貌の内側に様々な思いを押し隠しているのではないか。
松坂大輔二世といわれ、同世代のダルビッシュ有とも比較された。西武ではエースからクローザーへの配置転換も経験し、2度の移籍。屈託をぐっと押し殺して、彼はプロとして責任を果たすことのみ考えているのだろう。
涌井は西武で2回、ロッテで1回最多勝を獲得している。NPBでは2球団で最多勝をとった投手は涌井も含めて7人いる。
スタルヒン(須田博、巨人5回、大映1回)
別所毅彦(昭、南海1回、巨人2回)
川崎徳次(巨人1回、西鉄1回)
金田留広(東映1回、ロッテ1回)
岩隈久志(近鉄1回、楽天1回)
グライシンガー(ヤクルト1回、巨人1回)
涌井秀章(西武2回、ロッテ1回)
しかし3球団はいない。涌井が楽天で最多勝をとれば史上初の「3球団で最多勝」となる。
もう1つ、今季の涌井は規定投球回数ぎりぎりだ。もし規定投球回数未達で最多勝となれば1988年の伊東昭光 (ヤクルト) 、2005年の下柳剛 (阪神) に次ぎ3人目だ。記録マニアとしてはこれも興味津々だ。
これらの記録を達成しても涌井は淡々と受け答えするのだろうが、快記録と珍記録をぜひ見てみたい。
楽天vs.ロッテは派手な打ち合いに。
<7月27日から8月2日までの1週間の成績>
【パ・リーグ】
○チーム成績
1 ソフトバンク5試合4勝1敗0分 率.800
打率.271 防率3.20
1 日本ハム5試合4勝1敗0分 率.800
打率.285 防率2.60
3 ロッテ6試合3勝3敗0分 率.500
打率.235 防率6.33
3 楽天6試合3勝3敗0分 率.500
打率.301 防率4.91
5 オリックス5試合1勝4敗0分 率.200
打率.193 防率4.83
5 西武5試合1勝4敗0分 率.200
打率.285 防率4.83
日本ハムとオリックスは5試合だけで、日曜の試合は組まれなかった。また冒頭で記した通り、ソフトバンクと西武は1試合が中止になった。
リーグ全体の防御率が4.51、投手がよく打ち込まれた週となった。特に楽天とロッテは打撃戦を演じ、6試合で楽天11本塁打、ロッテ9本塁打と派手な打ち合いだった。ソフトバンクと日本ハムは投手陣が好調を保った。