令和の野球探訪BACK NUMBER
横浜高トリオに感じる一流の佇まい。
元スーパー中学生はドラフト候補へ。
text by
高木遊Yu Takagi
photograph byYu Takagi
posted2020/08/03 07:00
横浜高校にはドラフト候補が3人も。左から木下幹也、松本隆之介、度会隆輝。
「高卒でプロ」を目指して入学した木下。
その度会と中学時代から鎬を削っていたのが、身長185cmの右腕・木下幹也(もとや)だ。
3年前の夏、世田谷西リトルシニアのエース兼主力打者として出場したリトルシニア日本選手権決勝で、度会が所属する佐倉リトルシニアと対戦。直接対決ではライトスタンドに飛び込む本塁打を浴びたが、自身もレフトスタンドに飛び込む本塁打を放つなど存在感を見せつけ、投げては7回5失点と粘りのピッチングで優勝を飾った。
横浜には「高卒でプロに行きたいという思いがあって、そこに一番近いレベルのところで主力でやらないといけない」と感じて入学。1学年上の及川雅貴(阪神)のストレートなどには驚いたが「先輩たちを見て凄く勉強になりました」と、あらゆるものを吸収してきた。
そして今では角度のある140キロ台のストレートやスプリットなどのキレの良い変化球が武器の本格派右腕となった。
1年からベンチ入りの左腕・松本。
それは身長188センチの長身左腕・松本隆之介も同じだ。戸塚リトルシニアでは全国大会1回戦敗退が最高成績ではあったが、「戸塚のピッチャーは凄いらしい」との噂は各方面に知れ渡っていたほど。しかし、入学直後は衝撃を受けたという。
「野手の万波さん(中正・日本ハム)や齊藤さん(大輝・法政大)、エースだった板川さん(佳矢・国際武道大)らはもちろん、メンバーに入れていない投手の方々も凄い球を投げていて驚きました。自分はやっていけるのかな?と思いました」
そうは言うものの、高校生活の中で球速は140キロ台後半を計測することも珍しくなくなり、スライダーやチェンジアップの質も良く「ドラフト上位候補」の声もあがり始めている。
両投手ともに度会と同様に1年時からベンチ入りするなど、ハイレベルな周囲に触発され自らの力を伸ばしてきた。