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クイーンS経由、海外GI転戦の名牝。
ディアドラに思い出す2年前の圧勝。
posted2020/07/31 17:00
text by
平松さとしSatoshi Hiramatsu
photograph by
Satoshi Hiramatsu
日本時間7月30日の夜、イギリス、グッドウッド競馬場でナッソーS(GI、3歳以上牝馬、芝1マイル1ハロン197ヤード)が行われた。
昨年このレースを制したディアドラ(牝6歳、栗東・橋田満厩舎)は2年連続での制覇を目指して出走したが、残念ながら今年は7着。勝ったのはディープインパクト産駒のアイルランド調教馬ファンシーブルーだった。
ディアドラが秋華賞(GI)を制したのは2017年。前年7月のデビュー戦では452キロだった馬体が490キロまで成長して本格化。初GI勝ちをマークすると、その後は常にGI戦線に名を連ねるようになった。
異例と言える3度の海外遠征。
そんな彼女が初めて海を越えたのは秋華賞制覇の翌春。2018年の3月にドバイターフ(GI)に挑戦すると、ベンバトルの3着。2着だったヴィブロスと3着同着のリアルスティールと、日本馬3頭で横並びの2着争いを演じてみせた。
同じ年の暮れには2度目の海外遠征。今度は香港へ飛ぶと、香港カップ(GI)に出走。地元馬グロリアスフォーエバーの逃げ切りにこそ屈したものの2着は確保。世界へ出ても勝ち負け出来る能力がある事を改めて証明してみせた。
一旦、帰国して2019年2月には中山記念(GII)に出走したが、その後3度目の、そして異例の海外遠征に旅立った。
まず出走したのは前年3着同着となったドバイのドバイターフ。ここでは日本のエース・アーモンドアイの4着に敗れたが、そのまま帰国はせず、香港へ移動。クイーンエリザベスII世盃(GI)に挑んだ。しかし、ここも同じ日本馬のウインブライトに敗れ、6着となった。
衝撃的なニュースが表に出たのはその直後だった。