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桑田真澄と荒木大輔が甲子園を語る。
「勝って帰ってきたら女の子が」
posted2020/07/30 18:00
text by
Number編集部Sports Graphic Number
photograph by
Kanekoyama
Numberが創刊された1980年の夏。甲子園で1試合にしてスターになった少年がいた。
荒木大輔。
早実の1年生エースとして準優勝を果たし、甘いルックスで「大ちゃんブーム」を巻き起こした。春夏5回の甲子園大会すべてに出場して通算12勝5敗。
そしてその荒木と入れ替わるように1983年夏に登場し、いきなり優勝をもぎ取った驚異の1年生投手がいた。
桑田真澄。
言わずと知れたPL「KKコンビ」の一角であり、やはり5回の甲子園出場で2度優勝、通算20勝3敗を残した伝説の男だ。
斎藤佑樹や吉田輝星もやってきて。
Number最新号「甲子園特集」特別対談のために、現在日本ハムファイターズで二軍監督兼投手コーチを務める荒木を桑田が訪ねるとあって、久々の快晴の下で有観客試合が行われる鎌ケ谷スタジアムにはどこかウキウキした空気が漂っていた。
日本ハムには斎藤佑樹、吉田輝星ら近年の「甲子園スター」も多い。調整中の斎藤、この日先発登板する吉田も次々と桑田のもとへ挨拶に訪れた。時ならぬ華やかな雰囲気のなか、元祖・甲子園二大スターが当時の思い出から、大会が中止となった今年のことまで存分に語り合った――。
「思えば1年の夏、初戦に勝ったときはとんでもない騒ぎになっちゃってね。試合前は宿舎の人が3、4人“頑張ってくるんだよ~”って送り出してくれたのに、勝って帰ってきたら宿にバスがつけられないくらい、女の子がたくさん集まっていた。もう、訳がわかんない(笑)」という荒木。
「僕も同じような感じでした。ほんの4カ月前には池田とY校(横浜商)とのセンバツの決勝をテレビで観ていたのに、その2校に勝って優勝。マスコミやファンの人数も一気に増えて、ついていけなかった」と桑田。