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2本のベルトはEVILに貸してただけ!?
内藤哲也、神宮球場でタイトル奪還へ。
text by
原悦生Essei Hara
photograph byEsseiHara
posted2020/07/28 20:00
かつての自分の同志であるEVILに対して「ベルトのレンタル期間は終了」と宣言した内藤哲也。
「ベルトのレンタル期間は終了だ」
裸のままリングに上がった内藤はEVILに向き合ってベルトのレンタル期間の終了を宣告した。マイクを握った内藤はEVILに問いかけた。
「最近よく正義って言葉を使っているようだけれど、正義って言ってみたり、ダークネスって言ってみたり、もしかしてEVIL、迷っているの? そんなEVILに2本のベルトは荷が重た過ぎるだろう? ベルトのレンタル期間は終了だ。その2本のベルト、そろそろ返してもらおうか」
思っていたよりも早い挑戦表明だった。リマッチ=再戦の連続を嫌っていた内藤だったが、裏切り者EVILに対してはそんなことも言っていられない。ロス・インゴベルナベレス・デ・ハポン自体の存続危機を感じ取ったのかもしれない。
「EVILの口から正義なんて言葉が出てくるとは」
内藤の問いかけは、「正義」とか「悪」とかの禅問答のようなものにも発展していった。
「これが現実だ。これがリアルだ。そして内藤、笑わせんな。このオレが正義だ。オマエなんか、返り討ちにしてやるよ。わかったか」(EVIL)
「オレも、勝った方がすべて正しいと思うよ。たとえどんな手を使ってでも、反則を取られてないから、勝った者が正しいと、オレも思うよ。でもまさか、EVILの口から正義なんて言葉が出てくるとはね。キング・オブ・ダークネスも実は、正義に憧れを抱いているってこと?
だったらさあ、バレットクラブじゃなくて、永田裕志選手率いる青義軍に入った方がよかったんじゃないの? 青義軍でバックステージで、永田選手に頬を張られていた方がよかったんじゃないの? そんな姿を見てみたいね」(内藤)