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大谷翔平、693日ぶり二刀流復活登板はほろ苦くも「いいこともあれば悪いこともある」の精神で。
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NumberWeb編集部Sports Graphic Number Web
photograph byUSA TODAY Sports/Reuters/AFLO
posted2020/07/27 12:45
現地時間26日、アスレチックス戦に先発した大谷翔平は1回途中でKOとなった。
ほろ苦い“二刀流”復帰戦となった。
7月26日(日本時間27日)ロサンゼルス・エンゼルスの大谷翔平は、敵地のオークランド・アスレチックス戦で693日ぶりにマウンドに上がった。
先発した大谷は、先頭打者のセミエンにセンター前安打を許すと、2番ラウレアーノ、3番チャプマンには連続四球を与え、いきなり無死満塁のピンチを招く立ち上がり。続く4番オルソンにも押し出し四球を与えて早々に先制点を献上した。その後も制球が定まらない大谷は立て続けにタイムリーを浴びて5失点。2018年10月の右肘のトミー・ジョン手術後初となる公式戦登板は、30球を投げて3安打3四球、1アウトも奪えずにプロ最短KOとなった。
序盤の大量失点が響いたエンゼルスは1点差に詰め寄る場面もあったが、逆転できず、大谷に黒星がついた。
2019年9月には左ヒザにもメスを入れるなど怪我との戦いが続いた大谷。投手として再起を誓った今季は新型コロナウイルスによるメジャー開幕延期もあって、難しい時間を過ごしてきた。それでも4月下旬にオンラインで行われた『Number』1002号のインタビューでは、「個の力が伸びるのはオフの方が多いかなと思っていますし、うまくなる期間が長くなるとプラスに捉えています」と前向きに捉え、フィジカルトレーニングを見つめ直していたという。
「何事もバランスかなと思っているので、いいこともあれば悪いこともある。意識的にいいことを考えるのは大事かなと思いますけど、常にポジティブにいようとは思っていません」(同インタビュー抜粋)
約1年半ぶりとなる投手復帰戦は手鼻をくじかれた形となったが、ピッチングにおいて「時間はかかる」のは春の段階でも想定していたこと。試合後には、久しぶりの実戦マウンドでつかんだ感覚をもとに、次回登板への意欲を語っている。
休養日の予定だった27日(日本時間28日)は打者として出場する見込み。現地時間24日の開幕戦では「3番・DH」として先発出場し、第1打席からお手本通りのセンター前ヒットを放つなど、打撃ではすでに復調の兆しは見せている。バットで存在感を示しながら、徐々にピッチングの調子を取り戻したいところだろう。
「二刀流復活」はまだ始まったばかりだ。