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ジェッツ原修太が難病公表を決断。
泣くより笑ってほしい2年の闘病記。
text by
ミムラユウスケYusuke Mimura
photograph byCHIBA JETS FUNABASHI
posted2020/07/22 19:00
ジェッツに欠かせない選手に成長した原修太。筋肉もメンタルも伊達ではない。
原因不明のあざに、プロ2年目の記憶。
子どものころから何かあると、お腹を壊しやすかった。だから気にならなかったのかもしれない。また、同じケガや病気でも人によって痛みの感じ方は違うのだが、痛みへの耐性は強い方だった。それらも発見が遅れた理由だったのかもしれない。
いずれにせよ、医師からはしばらくの安静を命じられた。同時に、この病気にかかると結節性紅斑というあざのようなものが出たりすることや、病気の明確な原因は解明されていないものの、ストレスが大きな原因になる可能性があることも聞かされた。
入院中には時間がある。原は、記憶をたぐり寄せていった。
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直近の1年間で、原因不明の大きなあざのようなものができたことを思い出した。あれは、医師の指摘する結節性紅斑だったのかもしれない。
そして思い出したのは、その前のシーズン。プロ2年目のことだった。
あのころのオレ、相当ヤバかったかもしれないなぁ……。
ファンから「本当に大丈夫ですか?」。
試合の前に頑張って相手チームのスカウティング映像をたたき込んだつもりだったのに、チームが求める動きも、自分が見せたいプレーも上手くできない。考えすぎて大事な一歩を踏み出せず、それがまたミスを呼ぶ。当時の先輩たち――伊藤俊亮のアドバイスや、試合に出られなくても黙々と練習を続ける阿部友和や荒尾岳らがいなかったから、心が折れていたかもしれない。
ブースタークラブ(いわゆるファンクラブのこと)の会員向けの特別公開練習で、チームで決められているプレーができず、練習が終わったあとに頭を垂れて体育館の隅に座っていた。後日、その様子を見たファンから、SNS上でメッセージを送られたこともあった。
「本当に大丈夫ですか? 原選手の姿をみて、泣けてきました……」