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ジェッツ原修太が難病公表を決断。
泣くより笑ってほしい2年の闘病記。
text by
ミムラユウスケYusuke Mimura
photograph byCHIBA JETS FUNABASHI
posted2020/07/22 19:00
ジェッツに欠かせない選手に成長した原修太。筋肉もメンタルも伊達ではない。
自分で自分のことを苦しめていた。
練習で散々な出来に終わり、自分へのふがいなさと怒りに震えて、練習のあとにトイレで買ったばかりのお茶のペットボトルをたたきつけたら、それが破裂して我に返ることもあった。
「自分のプレーに対してすごく悩んでいたり、バスケを楽しめていなかったり。そういう気持ちはガジュさん(多田我樹丸ストレングス&コンディショニングコーチ)くらいにしか言えなかったりして……」
レギュラー争いも、ライバルチームとの戦いも、プロアスリートにとっては避けて通れないものだ。
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でも、必要以上に自分で自分のことを苦しめてはいなかっただろうか。
そもそも不満をおぼえても、自分の心のなかだけで処理することが多かった。グチひとつ言わない。試合中にファウルをおかしたあと、相手チームの選手に謝ってしまうこともあった。だから、入院中に気がついた。
オレは余計なことまで考えすぎていたんじゃないか……。
「僕は『テキトー』を目指します」
「今は試合中でも『相手を倒してやろう』というような気持ちでやっていますし。バスケ以外でもそうです。今までは人の目を気にしていたし、争いごとも嫌いだったから、相手が嫌な気持ちになるくらいなら僕が我慢しておこうということもありましたけど」
そして、医師の小松からかけられた言葉も耳に残っていた。
「ストレスを抱えて、ため過ぎたらいつまたなるかわからないよ」
そこからだ。誤解されてしまうかもしれないと感じつつも、こう宣言するようになったのは。
「僕は『テキトー』を目指します」
ストレスを抱え込むことになるくらいなら、細かいことはあえて気にしない。そういう考えは、後に試合や練習での気持ちを切り替える作業でもプラスに作用していくことになる。