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レッズ秋山翔吾は変化を恐れない。
未知の世界を勝ち抜くために。 

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四竈衛

四竈衛Mamoru Shikama

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photograph byGetty Images

posted2020/07/19 11:30

レッズ秋山翔吾は変化を恐れない。未知の世界を勝ち抜くために。<Number Web> photograph by Getty Images

日本記録のシーズン216安打、4度の最多安打を記録した秋山。その卓越した技術にレッズ首脳陣は大きな期待を寄せる。

変化を恐れちゃいけないと思う。

 時には、技術面での変化が必要となる可能性もある。

「難しいですね。レギュラーが確約されているなら、変えないでこんなもんだろう、という指標はあるんですけど、結果を出さないと使ってもらえない立場。大きく変えないといけない時と我慢しないといけない時の見極めは、立場上、かなり難しいのかなとは思っています」

 変化すべきか、否か。162試合の長丁場であれば、ある程度の調整期間が見込めるとしても、今シーズンの場合、チームにも個人にも猶予期間は少ない。

「長かろうが短かろうが、思い切ってやらなきゃいけないところは変化を恐れちゃいけないと思いますし、自分がどれくらい通用するのかという軸自体はぶれてもいけないと思う。いかに早く順応して結果を出して、(首脳陣に)使いたいと思わせられるか」

レギュラー争いを勝ち抜く緊張感。

 もっとも、秋山の危機意識をよそに、デービッド・ベル監督の信頼感は、主力級と言っていい。紅白戦では「1番」として起用。今季はナ・リーグでも全試合でDHが採用されることもあり、外野の全ポジションを守れる秋山の存在で、より幅広い起用法が可能となった。

「翔吾はプロフェッショナル。いろいろなスキルもある。いい状態に見えるよ」

 12日(同13日)の紅白戦では、二塁打2本を含む4打数3安打と広角へ打ち分け、本来のシャープさを披露した。外国人特有の速いモーション、力のある速球に対応するため、早めに始動したうえで、軸足の左足にできるだけ長く体重を乗せる意識を強めた効果だった。

「自分の感触がいいというだけじゃ使ってもらえないし、周りが思っているよりも楽観視は全然できていない。レギュラー争いのぎりぎりのところにいるという感覚はあるので、それを勝ち抜く緊張感もあります」

 7月24日、本拠地シンシナティでのタイガース戦。

 レッズ史上初の日本人メジャーリーガー、秋山翔吾の挑戦がスタートする。

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