野球クロスロードBACK NUMBER
「打てる捕手」は配球こそが作る?
ロッテのドラ2佐藤都志也の原点とは。
text by
田口元義Genki Taguchi
photograph byKyodo News
posted2020/07/17 11:30
ルーキーながらいきなりサヨナラ安打を放つ活躍を見せた佐藤都志也。「MAJOR」の登場人物「佐藤寿也」と同音異字なのも話題だ。
思い出すのは阿部慎之助の言葉。
今、改めて佐藤のこの言葉の行間を読み取ると、元巨人の阿部慎之助を思い出した。
「打てる捕手」と称されることについて、阿部はこのように自己分析していた。
「キャッチャーをしていると普段からいろいろと考えているんで、バッティングで悩む暇がないんですよ。他のポジションを守っていたら打てなくなったときに考えこんじゃうと思うんで、逆にいいのかもしれませんね」
佐藤は大学時代に一塁手など捕手以外のポジションを守っていた。プロでも今後、コンバート案が浮上するかもしれない。
それでもきっと、彼は捕手を貫く。これまで証明し続けているように、それこそが打撃向上への重要な足掛かりとなるからだ。
現状では正捕手の田村龍弘や柿沼友哉らとしのぎを削る構図となっているが、「打てる捕手」への道はまだ始まったばかりである。
多くの試合でマスクを被り、投手たちのボールを受けながら、地道に呼吸を合わせていく。佐藤の守備が整ったとき、全てのパフォーマンスが開花する。