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池江璃花子の辛い心を支えたもの。
独占インタビューで語った“誓い”。
text by
藤森三奈(Number編集部)Mina Fujimori
photograph byShin Suzuki
posted2020/07/16 11:50
池江璃花子は最高の笑顔で迎えてくれた。
「でも逆にどう思いました?」
そう、その日は、タイムを計る日で、彼女の行動は、調子がいい時のルーティーンだったのだ。
「でも逆にどう思いました?」
逆質問された。彼女は、自分がどう見られているか、気になるようだ。元気な彼女を目の前にして、「心配した」とは言えなかった。
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調子が良かったのは、その後の泳ぎを見れば一目瞭然だった。50m自由形、50m背泳ぎと、次々自分が設定したタイムをクリアしていく。
「あんなに縮まるとは思いませんでした。1週間前のタイムともだいぶ違うんです」
その驚きを嬉しそうに語る。
彼女のアスリートとしての回復のスピードは、1日単位だ。いや、刻一刻と言っても言い過ぎではないだろう。
「今は、中学生くらいまで戻ってきた」と本人は言うが、池江の中学時代とは、日本記録を出した頃のことだ。
今、彼女が目標としている10月のインカレまであと3カ月。水の中での笑顔とガッツポーズをみんなが待っている。
Number1007号「アスリートが明かす『心の秘密』メンタル・バイブル2020」の巻頭では、池江璃花子の独占インタビューを10ページにわたり掲載しています。辛い時期をどのようにして乗り越えたのか――、20歳の肖像とともに誌面でご覧ください。