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“J7”南葛SCで選手兼デザイナー?
楠神順平が語る葛飾と川崎への愛。
text by
いしかわごうGo Ishikawa
photograph byTakehiko Noguchi
posted2020/07/16 20:00
南葛SCで新たな夢に向かい始めた楠神順平。サッカー人生はこれからも続く。
J7クラブが、本気でJ1を目指す。
「(加入を)決めたのは3月の頭です。岩本さん(岩本義弘GM)と代理人と3人で会って話しました。1番はチームが自分を必要としてくれたこと。それにクラブの未来、ビジョンも魅力的に感じました」
南葛SCは、今年から「Jリーグ百年構想クラブ」に承認されている。以前まで使われていた表現を借りると、「Jリーグ準加盟クラブ」である。“J7”に相当するカテゴリーのクラブが、将来的にJリーグへの参入を目指すことを認められたのは極めて異例だ。それだけ本気でJリーグを目指しているということであり、楠神もそこに惹かれた。
「小さいクラブからJ1を本気で目指しているので、そこに自分が携わることは面白い挑戦だと思いましたね。可能性を秘めているチームなので、夢があるなと」
プロ契約ではなく、運営会社の社員として働きながらのプレーになる。それでも、もう迷いは消えていた。楠神はついに南葛のユニフォームに袖を通すことを決断する。
「ボールは友だち」と思いながら。
南葛SCを語る上で切っても切り離せないのが、キャプテン翼の存在だ。楠神も加入を発表した挨拶で「サッカーを始めた頃から、『ボールは友だち』と思ってずっとやってきたので、『キャプテン翼』から生まれたこの南葛SCという素晴らしいチームでプレーできることをうれしく思います」と述べている。
「サッカー選手はみんな通ってきている漫画ですからね。めちゃくちゃ流行っていた世代というわけではないですけど、南葛にきてから本格的に細かいところまで読みましたよ。好きなキャラは、やっぱり翼くんですかね。翼くんのあの感じは憧れますね」
彼は小学生時代にリフティング1万回を達成したというが、あの独特のタッチ感覚は「ボールと友達」になっていた証拠だろう。川崎時代の同僚だった風間宏希(FC琉球)からは「実写版ファン・ディアス」とツイッターで評されていた。あの変幻自在のドリブルぶりは確かに遠からずと言えるかもしれない。