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永田裕志の人生を変えた「10.9」。
Uインターではなく新日本入りの理由。
posted2020/07/10 11:40
text by
堀江ガンツGantz Horie
photograph by
Essei Hara
1995年に突如勃発した新日本プロレスvs.UWFインターナショナルの全面戦争は、“史上最大の団体対抗戦”として、今もプロレスファンの語り草となっている。
永田裕志は、その対抗戦第1弾である9.23横浜アリーナで、若手ながら長州力のパートナーに抜擢され、Uインターの安生洋二&中野龍雄と互角以上の攻防を展開。
さらに10.9東京ドームでの全面戦争では、第1試合で石澤常光と組んで、金原弘光&桜庭和志と対戦。緊張感溢れる攻防で、10.9のベストバウトと絶賛される試合をやってのけた、対抗戦立役者のひとりだ。
永田自身「9.23横浜と10.9ドームでのUインターとの対抗戦は、僕の出世試合」と胸を張るが、Uインターとの間には、新日本入団前から縁があった。アマチュアレスリングでオリンピック出場を目指していた頃、「将来、プロに行くならUインター」と考えていたのだ。
大学時代に出会った田村潔司の好印象。
「もともと僕は、『プロレスラーになりたい』という漠然とした思いはあったんですけど、『プロレスをやるなら(第2次)UWFに入りたい』と思ってたんですよ。素人考えですけど、プロレスには覚えなきゃいけないことがたくさんあるな、と。でも、格闘技志向のUWFなら、自分がやってきたアマチュアレスリングをより活かせる気がしたんですよね」
また大学時代、UWFの選手との出会いもあった。
「当時まだ若手だった田村潔司選手が、ウチの大学(日本体育大学)にアマチュアレスリングを習いにきていて。プロでありながら、アマチュアの学生に頭をさげて必死にレスリングを身につけようとしていたその真摯な姿勢、強くなることへの貪欲さに感銘を受けたというか、惹かれた部分がありましたね」