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永田裕志の人生を変えた「10.9」。
Uインターではなく新日本入りの理由。
text by
堀江ガンツGantz Horie
photograph byEssei Hara
posted2020/07/10 11:40
10.9の第1試合、日体大レスリング部出身の永田(右)と、1歳下で中央大レスリング部出身の桜庭は激しい攻防を見せた。
「まさか僕が、Uインターの選手たちと」
「まさか僕が、かつて入ろうとしていたUインターの選手たちと闘うことになるとは、夢にも思いませんでしたね。でも、あの対抗戦は自分にとって、本当にいいきっかけになりました。
当時、僕は第三世代の中では遅れをとっていたんですよ。中西さんはオリンピック選手だから、早くから上で使われていたし、天山(広吉)選手も海外遠征から帰国後、蝶野(正洋)さんとタッグを組んでメインイベントに出るようになっていた。小島(聡)選手は海外遠征中で、大谷(晋二郎)さんもジュニアで活躍していましたからね。
そんな中、僕はなかなかチャンスがつかめず、焦りも感じていたんですけど、そんな鬱憤もすべて、あの対抗戦で爆発させることができましたね」
武藤敬司は、「あの10.9の高田(延彦)戦があったから、今の俺がある」と語っているが、永田裕志にとっても、Uインターとの対抗戦は飛躍の大きなきっかけとなった。10.9ドームはレスラー人生を変える大一番だったのだ。
発売中のNumber1006号「ベストバウトをぶっ飛ばせ!」には、永田裕志、安生洋二、武藤敬司の3人が1995年の歴史的対抗戦を振り返り証言する、「10.9 新日本vs.Uインター『忘れられないエクスタシー』」を掲載。25年を経て語られる新証言を、ぜひお手にとってご覧ください。