アメリカのスポーツを飲み込む奔流。

　彼らにとってはMLBやNASCARのような圧倒的な白人社会であるプロスポーツ界で、南軍旗や「インディアンス」という名称が使われていることの方が特殊なのであって、そのギャップが今、急速に縮まり、黒人やアメリカ先住民だけではなく、性差別や同性愛者への差別、あるいはユダヤ人への偏見にも波及し始めている。

　WNBA＝女子プロバスケットボールやWPS＝女子プロサッカーの選手たちは、今回の抗議運動よりはるか以前から、それらの差別について声を挙げているが、アスリート自らが現政権に「NO」を突きつけるため、大統領選挙への投票を呼び掛けるなど、あらゆる種類の人種差別の是正について声を挙げ、一般の社会と積極的に関わろうとしている。

　その奔流はアメリカの社会と、アメリカのスポーツ界の両方に、押し留まる気配を見せることがないほど強く、注ぎ込んでいる――。