Overseas ReportBACK NUMBER
アメリカの高校球児から日本へ。
「最後の試合だと思って常に全力で」
text by
及川彩子Ayako Oikawa
photograph byAyako Oikawa
posted2020/07/08 17:00
2019年12月に、ホットスプリングス市で行われた花巻東高校とレイクサイド高校の共同練習。野球が、言語の壁を簡単に破壊した。
いつもそれが最後になると覚悟して。
マルドゥーンは一連の経験をこう振り返る。
「今まで野球ができるのも学校に行くのも、あたり前のことだと思っていた。でもコロナ禍で、すべてが無くなってしまった。外に出る自由さえ奪われてしまって、初めて今まで自分は感謝の気持ちを持たずに過ごしていたように感じた。監督、チームメイト、家族、みんなに支えられてここまでやってきたんだと痛感した」
今、日本の高校球児は、各県独自の大会に臨んでいるが、彼らはこんなエールを送る。
「絶対に最後まで諦めないで、全力でプレーして」
「(コロナが蔓延する)このような状況下、いつどうなるか分からない。勝って次の試合があると思っても、もしかしたら僕たちのように大会自体が無くなるかもしれない。だから、いつも『これが最後の試合になるかもしれない』そう思って全力でプレーしてほしい。グラウンドですべての力を出しきってほしい」