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F1開幕へ向け飛び交う期待と不安。
ホンダとレッドブルはポジティブ?
text by
尾張正博Masahiro Owari
photograph byGetty Images
posted2020/06/30 18:00
昨年のオーストリアGPスタート時。今年はいくぶん違った形でF1が開催されることになる。
予定が決まっているのは8戦だけ。
もちろん、このようなやり方でのレース開催に対して批判的な声もある。例えば、まだ8レースの日程しか発表されていない中で選手権を開幕させた判断だ。果たして、今年は何戦できるのか。もし、8戦で終わってしまったら、チャンピオンはそれでも決定するのか。
また、現行マシンを使用したシーズン中のテスト走行は原則禁止されているため、開幕に向けて一部のチームはほとんどぶっつけ本番で臨まざるを得ない。万全の準備が整わないまま開幕するのは不公平だという指摘もある。
ホンダとレッドブルは準備万端?
それでも、F1チームのファクトリーがあるヨーロッパの主要都市が軒並みロックダウンし、3月下旬から5月までF1もファクトリーを閉鎖していたことを考えれば、多くの関係者はいま、レースを開催できることに喜びを感じている。
ホンダF1のパワーユニット開発責任者である浅木泰昭は「開幕戦のレッドブルリンクは験の良いサーキット。すごく期待している」と、開幕戦に改良したスペック1.1を投入すると明言した。
6月12日に日本を発ち、オーストリアGPへ向かうためにイギリスで2週間自主隔離していたホンダF1の山本雅史(マネージングディレクター)は、レッドブルのクリスチャン・ホーナー代表から嬉しい知らせを受け取った。
「クリスチャンがとてもいいことを言ってくれて、オーストリアへ行くのが楽しみになりました。これはレッドブルのことなので、いまは私の口からは言えませんが、ポジティブな内容で、ホンダにとっては励みになります」(山本)
ホンダが13年ぶりに優勝した’19年のオーストリアGPから1年。F1の新しいシーズンは日本人にとって、これまでになく胸が高鳴る中で開幕しようとしている。