酒の肴に野球の記録BACK NUMBER
各成績で2000年代ベスト9を選ぶと。
赤星に小笠原&松中。エースは誰?
posted2020/06/29 08:00
text by
広尾晃Kou Hiroo
photograph by
Koji Asakura
高校の時に単語カードでDecadeという単語を覚えた。「10年」という意味だ。こんな言葉、使うことがあるのかと思ったが、野球の世界ではディケードはかなり大事である。野球選手の選手寿命は短いから、10年ごとに勢力図がガラッと変わるのだ。
実は2020年の開幕に合わせて、2000年代の2つのディケードの数字をまとめていた。2000年から2009年と、2010年から2019年だ。2020年は3つ目のディケードの初めの年、過去を振り返るにはぴったりの年なのだ。実はこの2つの時代、選手の顔ぶれも数字の中身も大きく変わるのだ。
まずは2000年代のベストナインを各データから考えていこう。
まさに大器晩成だった金本。
【2000年から2009年の野手ランキング】
<安打数5傑>
1 小笠原道大 1629安打
(日本ハム-巨人)
2 金本知憲 1559安打
(広島-阪神)
3 ラミレス 1545安打
(ヤクルト-巨人)
4 松中信彦 1459安打
(ダイエー・ソフトバンク)
5井端弘和 1444安打
(中日)
イチローが2000年限りでメジャーに移籍した後、NPBの打者のトップに立ったのは小笠原、松中という「イチロー世代」の2人だ。広島からFAで阪神に移籍した金本は、2000年にはすでに32歳だったが、ここから力を発揮し始めた。
ローズ、ラミレス、カブレラの存在感。
<本塁打5傑>
1 ローズ 353本塁打
(近鉄-巨人-オリックス)
2 カブレラ 322本塁打
(西武-オリックス)
3 小笠原道大 311本塁打
4 松中信彦 299本塁打
5 ラミレス 287本塁打
<打点5傑>
1 松中信彦 991打点
2 ラミレス 980打点
3 金本知憲 974打点
4 小笠原道大 922打点
5 ローズ 899打点
ローズとカブレラはともに55本塁打を記録した一方で「あと1本」を阻まれた、とも言われている。2000年代はローズ、ラミレス、カブレラと、NPB史上で最も成功した外国人選手を生み出した10年だと言えるだろう。
赤星の俊足にヒットメーカー青木。
<盗塁5傑>
1 赤星憲広 381盗塁
(阪神)
2 荒木雅博 259盗塁
(中日)
3 川崎宗則 206盗塁
(ダイエー・ソフトバンク)
4 福地寿樹 202盗塁
(広島-西武-ヤクルト)
5 片岡易之 173盗塁
(西武)
クイックモーションの進化で、盗塁は以前より難易度が上がっているが、2001年デビューの赤星は「脚の魅力」を存分に見せつけた。
<打率5傑(3000打席以上)>
1 青木宣親 率.331
2734打数905安打(ヤクルト)
2 小笠原道大 率.323
5048打数1629安打
3 和田一浩 率.314
4174打数1311安打(西武-中日)
4 福留孝介 率.3079
3391打数1044安打(中日)
5 カブレラ 率.3075
3762打数1157安打
青木は3121打席なので辛うじてこのランキングに入る。青木はNPB公式サイトでは4000打数以上の打率史上1位をキープしている。右打者では和田が1位である。