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松井秀喜の“ノルマ”を果たせるか。
巨人・岡本和真、今季目指すは34本。
text by
鷲田康Yasushi Washida
photograph byKYODO
posted2020/06/19 21:10
一昨年は33本、昨年31本と2年連続30本塁打を記録した岡本。今季、真の長距離打者と認められる数字をクリアできるか。
注目すべきは本塁打の方向。
押しも押されもしない巨人の4番打者と、誰もが認める。
ただ、である。本当のホームラン打者へとステップアップするには、この40本の壁を突き破れるか。そこが試金石となるはずなのである。
長い調整期間を経て、6月2日から始まった練習試合では、10試合で4本の本塁打を放った。
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注目すべきはその打球方向だ。
6月6日のヤクルト戦では小川泰弘投手の141kmのカットボールを右翼スタンドへ。12日の日本ハム戦では左中間スタンドに放り込むと、13日の同カードでも杉浦稔大投手の外への128kmのスライダーを左翼スタンド上の壁にぶち当てる140m弾を放った。
そして16日のロッテ戦では再び逆方向の右中間スタンドに打ち込んでいる。
「基本的にはセンターに打ち返そうと思って打席に立っていますから。今日はたまたま外角球だったのでライトに打てて良かった」
ヤクルト戦の試合後の岡本のコメントだ。
右に左に、きれいに2本ずつ打ち分けた。
「すごい当たりだったね。遅いボールはレフトへ、みたいなね。そういうのはいいと思います」
これは13日に140m弾を放った試合後の原監督のコメントで、本人も「打席の中でしっかり振りにいけているかなと思います。しっかり自分のバッティングができるように頑張りたい」と納得の表情を見せた。
右に左に、きれいに2本ずつ打ち分けた4本の本塁打。
実は松井さんが'18年の宮崎キャンプで臨時コーチを務めたときに、岡本の打撃をこう評していたのを聞いたことがある。