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松井秀喜の“ノルマ”を果たせるか。
巨人・岡本和真、今季目指すは34本。 

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鷲田康

鷲田康Yasushi Washida

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posted2020/06/19 21:10

松井秀喜の“ノルマ”を果たせるか。巨人・岡本和真、今季目指すは34本。<Number Web> photograph by KYODO

一昨年は33本、昨年31本と2年連続30本塁打を記録した岡本。今季、真の長距離打者と認められる数字をクリアできるか。

松井秀喜が掲げた40本の大台をクリアできるか。

 そうして翌'05年は本塁打23本に終わったが、初めて打率3割をクリアする3割5厘をマークして自己最多の116打点も記録。いよいよ翌年には本腰を入れて40本塁打の大台に挑むはずだった。

 ところがその年の5月11日、ボストン・レッドソックス戦の守備で左手首を骨折し、日米通算の連続試合出場が1768試合でストップした。シーズンをほぼ棒に振ると、その後は膝の故障などもあり、メジャーで40本の夢を実現することはついになかった。

 もちろんメジャーでも日本でもプロの世界で30本以上の本塁打を打つことは、それだけで凄いことである。試合数の違いもあるし、厳密な区分けではないのは確かだ。

 ただ、日本でもアメリカでも30本台は、いわゆる中距離ヒッターと言われる打者でも打てる可能性のある数字なのは確かだ。

 となれば本当の長距離打者かどうかの1つの目安は、松井さんが掲げた40本の大台をクリアできるかどうか。そこが壁であり、分岐点となるのである。

原監督「松井に匹敵するか、ひょっとしたらそれ以上」

 新型コロナウイルスの影響で約3カ月遅れで始まった2020年のシーズン。この特別なシーズンに、その壁に挑む選手がいる。

 巨人の岡本和真内野手だ。

「彼のバッターとしての素質は計り知れない。松井に匹敵するか、ひょっとしたらそれ以上のものがあるかもしれない」

 こう評するのは原辰徳監督だ。

 智弁学園高校から'14年のドラフト1位で入団して、最初の3年間の本塁打はわずか1本だった。しかしプロ4年目の'18年に33本塁打を放ってブレークすると、'19年シーズンも31本塁打を放って2年連続で30本の大台をクリアした。

【次ページ】 注目すべきは本塁打の方向。

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