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宮西尚生12年連続50試合の先へ。
ファイターズのシンボルが挑む!
posted2020/06/17 19:30
text by
えのきどいちろうIchiro Enokido
photograph by
Kyodo News
今季、ファイターズの注目選手を1人挙げるなら宮西尚生だ。試合数がシーズン成立ぎりぎりの120に減ってしまって、果たして「12年連続50試合登板」(パ・リーグ記録)の更新は達成され得るのか。 143あっての50試合登板なら目分量で3日に一度だが、120試合となるとほぼ2日にいっぺん投げる感じになる。さすがの鉄腕宮西もこれは少々応えるだろう。大丈夫なのか!?
問題はイレギュラーな120試合制をどう捉えるかだと思う。「ウイズコロナ」の2020年シーズン、野球は一体、どう変わるのか。
僕は120試合を短いとはあまり思えないのだ。逆に長いのではないか。特にパ・リーグは移動の感染リスクを避けるため、「同一カード6連戦」を組む。これは気持ちの上でかなりハードだ。4試合やって「まだ2試合あるのか」だと思う。それが延々続く。
それからいかにドーム球場が多いとはいえ、日程の後半になるにしたがって未消化ゲームが出るに違いない。過密スケジュールだ。噂されるように久々のダブルヘッダー開催だって現実味を帯びる。
変則シーズンの戦い方があるかも。
というわけで、僕の予想は……。
(1)試合数こそ120に減るけれど、(2)心理的にも身体的にもタフな、(3)おいおいこんな時期になってもまだ野球やるのかよ。
というシーズンだ。
若手はもちろん、ベテラン選手だってこれは未体験ゾーンである。誰ひとり梅雨入り後にやっと開幕し、ファン感でもやりそうな晩秋まで続く変則シーズンなんて経験していない。
もしかすると身も蓋もなく、地力勝負となるのかもしれない。その場合、パには2019年シーズンの「優勝チーム」と「日本一チーム」が存在し、これが本当に厄介だ。凌駕するのは簡単ではない。
が、戦い方かもしれないのだ。「変則シーズンの戦い方」があるのかもしれない。この特殊なレギュレーションならではの勝ち方というものが。
僕はベンチワークに注目する。どの監督がいち早くやり方を掴むのか。それでなくても今季は(最悪の場合)、コロナ感染により、チームの大エースや不動の4番が突如、戦列を離れる可能性のあるシーズンだ。どんなに注意しても感染リスクはゼロにはならない。どのポジションもバックアップが必要だ。危機管理だ。ベンチワークは例年に増して重要になる。