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PGAが米主要スポーツ最初の再開。
トップ5が勢揃い、松山英樹も渡米。
text by
舩越園子Sonoko Funakoshi
photograph byAFLO
posted2020/06/10 11:40
松山英樹もツアー再開に備えてすでに渡米している。状況を見極めて、万全を期して復帰してくるはずだ。
松山英樹は渡米しているが初戦は不出場。
選手たちの反応はというと、マキロイをはじめとする大半の選手は「再開を心待ちにしていた」「決まりに従いながら、いいプレーを見せていきたい」と、ツアー再開を喜び、意気込んでいる。
だが、選手中にも賛否両論がある。とりわけ米国以外に身を置いている選手は、外国人ゆえのハードルを「高い」と感じ、より慎重に、よりシリアスにモノゴトを眺めている。
英国人の若手新鋭トミー・フリートウッドは「今は渡米して米ツアーで戦うことなど考えられない」。同じく英国人で大ベテランのリー・ウエストウッドは「米国入国時に14日間隔離され、試合後、英国帰国時にまた14日間隔離されるのなら、米ツアーに出る価値はない」と言い切り、どちらも米ツアーには当面は出場しない意向を示している。
オーストラリア人でマスターズ覇者のアダム・スコットは「感染防止策が本当に万全なのかどうか、きちんと行われるのかどうかの保証はない」と首を傾げ、やはり当面は米ツアーを欠場するという。
日本の松山英樹は、すでに渡米しているが、再開初戦は出場せず、様子を見るつもりだそうだ。
中止になった大会の代わりを即座に創設。
大会を支える関係者の間でも「OK」と「NG」の双方が渦巻き、混沌としている。
今週のチャールズ・シュワッブ・チャレンジを含めた4試合は無観客で開催され、7月9日からの5試合目になるはずだったジョンディア・クラシックは、観客を入れるかどうかが検討されていたのだが、同大会は「感染防止上、観客を入れての開催は困難」と判断。
しかし「観客を入れないのなら、収益が出ず、地元への還元ができないので、試合を開催する意味はない」として、今年が創設50周年だったにもかかわらず、中止を決めた。
すると、米ツアーは即座にジョンディア・クラシックの代わりとなる新大会創設に動き出し、翌週のメモリアル・トーナメントの会場であるミュアフィールド・ビレッジで新大会を無観客で開催することを決めた。
その早業には驚かされたが、米ツアーには、単に空いた週を埋めるという以上に、さまざまな思惑がある。メモリアル・トーナメントを観客を入れる形で開催しようとしている米ツアーは、前週に同じ場所で開催する新大会を「絶好のテストラン(予行演習)になる」と考えている。