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ジャスティン・ローズの究極の優しさ。
母国で女子選手の大会を7つも主催。 

text by

舩越園子

舩越園子Sonoko Funakoshi

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photograph byAFLO

posted2020/06/09 19:00

ジャスティン・ローズの究極の優しさ。母国で女子選手の大会を7つも主催。<Number Web> photograph by AFLO

チャリティの精神が共有されているゴルフ界でも、ジャスティン・ローズの優しさは特別だ。

困っている小学生の自宅へ駆けつけたことも。

 ローズ夫妻は市内の小学校を訪問することも多く、子どもたちと校庭で野菜を育て、収穫を家庭に持ち帰らせて家庭料理を味わってもらう「グリーン・プロジェクト」も行なっている。

 あるとき、市内のある小学生が全校生徒に本を1冊ずつ配るというプロジェクトを考案し、実行していたら、計算が甘かったのか、「本が足りません。誰か助けてください」と、SNS上で発信した。

 小学生のSOSをキャッチしたローズ夫妻は、すぐさま小学生の自宅へ駆け付け、小学生を車に乗せて市内のブックストアへ。

「必要なだけ本を買いなさい。支払いは僕たちに任せなさい」

 ローズ夫妻の多大なる手助けによって、その小学生は無事、全校生徒に本を配るプロジェクトを遂行できたそうだ。

「僕は忘れられたゴルファーだった」

 ローズは南アフリカ生まれ、ロンドン育ちの英国人。米ツアーを主戦場としており、2013年の全米オープン優勝を含め、米ツアー通算10勝を誇る39歳だ。

 そのキャリアの始まりは、実にセンセーショナルだった。17歳のアマチュアとして出場した1998年全英オープンでいきなり4位タイに食い込み、世界を大いに驚かせたローズは、その勢いのままプロ転向し、さらに世界を驚かせた。

 だが、その後は21試合連続予選落ちを喫し、長いトンネルに陥った。以後、欧州ツアー初優勝までに4年、米ツアー初優勝までには12年を要した。

「僕は忘れられたゴルファーだった」

 2010年のメモリアル・トーナメントを制し、とうとう米ツアー初優勝を挙げたとき、ローズが口にしたそんな言葉が今でも忘れられない。

【次ページ】 平凡で退屈な日々の一歩を大切に。

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