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女子バスケ高田真希の一念発起。
“二足のわらじ”は夢への原動力。
posted2020/06/07 08:30
text by
矢内由美子Yumiko Yanai
photograph by
AFLO
現役日本代表が「女子アスリート社長」に就任した。女子バスケットボール日本代表で主将を務める高田真希(デンソー)が「株式会社TRUE HOPE」を設立。バスケット界を盛り上げたいという熱い思いを胸に社業を開始した。
「日本代表で活動しながら数年前から感じていたのが、“もっと子供たちと触れ合うことで刺激やきっかけを与えられるのではないか”ということでした」
生かしたいのは現役だからこそ持ち得る影響力だ。小5からバスケットを始めた高田は、桜花学園高卒業後の'08年にWリーグのデンソーに加入。'09年に日本代表に初選出され、'16年リオデジャネイロ五輪をはじめとする多くの国際大会で活躍してきた。そのため、所属チームがシーズンオフにクリニックなどを開催した場合、日本代表活動と重複することも多く、参加できる回数が限られていた。「それなら自分自身が企画して実行しよう」と一念発起。ゼロから勉強を始め、デンソーの理解も得ながら起業した。
ゲストを招いてのトークが評判。
立ち上げがコロナ禍と重なったことでバスケット教室を開催できないなどの苦労はあるが、今はピンチを逆手に取り、走り出しながらオンライン企画のノウハウを習得している。既に『高田真希女子アスリート社長室』と名付ける会員制オンラインサロンを開設し、ゲストを招いてのトークイベントも数多く開催。高田がゲストを深掘りするトークは評判で、中でもコミュニケーションのテーマは「部下に指示を出すときの参考になる」「社会で役立つ」と反響が大きかった。しっかりと形の見えるスタートを切ったことで、高田社長自身も手応えをつかんでいるようだ。もちろん一方では、本分は選手だとの大前提がある。
「自分の第一の仕事はプレーヤー。バスケットで活躍することが優先順位の最上位です。それがあって、会社の仕事がモチベーションになる。選手としてより長く現役でいられるように、しっかり成長したい」
Wリーグでは歴代2位の通算6118得点を記録中で、通算3292リバウンドは歴代最多を突っ走っている。リオ五輪から4年。異例の挑戦が、日本代表として東京五輪で金メダルを目指すための新たな原動力になっていきそうだ。