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63年ぶり無敗の牝馬二冠なるか。
松山弘平が語るオークスでの焦点。
posted2020/05/22 20:30
text by
平松さとしSatoshi Hiramatsu
photograph by
Kyodo News
今週末、24日には牝馬三冠レース第2弾の優駿牝馬、通称オークス(GI、3歳牝馬、東京競馬場、芝2400メートル)が行われる。
2歳女王のレシステンシアこそ不在だが、3歳未勝利、スイートピーSを連勝し2戦2勝のデゼルや、フローラS(GII)の覇者ウインマリリン、桜花賞こそ6着に敗れたもののシンザン記念(GIII)では牡馬勢を完封したサンクテュエール、1勝馬ながらGI戦線で常に好勝負をしているクラヴァシュドールら役者は揃った。
しかし、そんな中で誰よりも注目を浴びているのが桜花賞馬のデアリングタクト(栗東・杉山晴紀厩舎)だろう。
勝てば1957年のミスオンワード以来となる無敗での桜花賞とオークス獲り。そんな偉業に挑む彼女を「初めて見たのは1歳の10月くらい」と語るのが管理する杉山調教師だ。当時を思い出しながらこう続ける。
「この時点で走るかどうかはまだ分からなかったけど、大人しくて扱いやすそうな馬という印象は持ちました」
「大人しく素直で乗りやすい」
2歳で入厩した後もその印象に変わりはなかった。
「入厩後も相変わらず大人しくて素直でした。だから手がかかることなくゲート試験までスムーズにこなしました」
調教自体は別段、目立って動くわけではなかったが、そのような感触だったので「デビューさせよう」となった。
デビュー前の調教から跨った松山弘平騎手も異口同音に語る。
「すごく動くわけではなかったけど、性格的に大人しかったので乗りやすかったです」
デビューは2019年11月16日、京都競馬場、芝1600メートルの新馬戦。11頭立ての2番人気だった。中団の馬群の中を追走すると、直線では一瞬、前が壁になるシーンがあったが、外へ出されると一気に加速。最後は抑え気味に余裕を持って先頭でゴールを駆け抜ける強い競馬を披露した。