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日本人初のマイナーリーグ監督、
三好貴士が高校生に伝えたかったこと。 

text by

上原伸一

上原伸一Shinichi Uehara

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photograph byTakashi Miyoshi

posted2020/05/23 20:00

日本人初のマイナーリーグ監督、三好貴士が高校生に伝えたかったこと。<Number Web> photograph by Takashi Miyoshi

2月に招待されたスプリングトレーニングで出会ったトニー・オリーバ(左)とロッド・カルー。

ボイラールームに寝泊まりし続けて直談判!

 2球団目のブロックトン・ロックスでは、MLBで通算22シーズンプレーした監督のビル・バックナーに声をかけられ、1カ月500ドルでアシスタントコーチに採用された。ところが、サポートするはずだった日本人選手が就労ビザを取得できなかった。チームに合流するとバックナーから「日本人選手がいないのに、なんでお前はここにいるんだ」と追い返されてしまう。

 むろん三好は引き下がることなく、ボイラールームで寝泊まりしながら、グラウンドに日参。バックナーは1カ月間、口も利いてくれなかったが、毎日ストーカーのように接近し、質問を浴びせ続けた。すると三好の理解者が現れ、ついにはバックナーも折れた。

道なき道を自分で切り開いてきた三好。

 他にもエピソードには事欠かない。

 3球団目はMLBの2Aレベルに相当する独立リーグのチームと契約したが、球団側に書類の不備があり、就労ビザが却下されることに。入国できないピンチに陥ったが、1200ドル払えば2週間という短期間で審査してもらえると聞き、自力で書類を作成。危機を乗り切った。

「球団が変わるたびにいろいろなことがありました。ですが、何が起きても、諦めようとか、やめようとは1ミリも思わなかったです」

 三好がたどってきた道は、三好の意志によって作られた道だ。途中途中で意志にぶれがあったら、現在地も違ったものになっていただろう。

 MLB球団と契約する道も、誰かから教わったわけではない。はじめは自費でMLBのキャンプ地に行き、球場の入口で履歴書を渡した。どこも受け取ってくれなかったが、あるチームのスタッフから、どこに送ればいいか聞き出す。それを糸口に全30球団の採用情報と担当責任者を調べ上げた。

【次ページ】 大事なのは“グリット”と“マインドセット”。

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三好貴士
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