沸騰! 日本サラブ列島BACK NUMBER
NHKマイルで激突する全勝の2頭。
3歳世代のGI勝利は全てが無敗馬。
text by
島田明宏Akihiro Shimada
photograph byYuji Takahashi
posted2020/05/09 19:00
関東は初となるサトノインプレッサ。武豊とのコンビは2戦目だ。
僚馬のコントレイルに続くか。
過去にNHKマイルカップに出走した毎日杯優勝馬は6頭いるのだが、何と、そのうち5頭(タイキフォーチュン、クロフネ、キングカメハメハ、ディープスカイ、ダノンシャンティ)がここも勝っているのだ。
武は、1997年シーキングザパール、2001年クロフネ、'06年ロジックで3勝しており、勝てば単独トップの4勝となる。
良馬場でのレース経験がないだけに、時計勝負になると未知数の部分もあるが、むしろパフォーマンスが上がるのではないか。
外から2番目の17番枠を引いたが、ゲートから最初のコーナーまで長い向正面を走るので枠は関係ない。昨年の勝ち馬アドマイヤマーズも17番、2着のケイデンスコールは18番からのスタートだった。
僚馬コントレイルにつづく、無敗のGI馬になる可能性はかなり高そうだ。
ルフトシュトロームは3戦とも完勝。
もう1頭の無敗馬は、これも3戦3勝のルフトシュトローム(牡、父キンシャサノキセキ、美浦・堀宣行厩舎)である。
こちらも3代母がディープインパクトの母でもあるウインドインハーヘアという良血だ。過去3戦はすべて中山のマイルで、すべて完勝。
前走のニュージーランドトロフィーは、4コーナー出口で外に振られながらも、外のウイングレイテストと併せ馬の形で豪快に伸び、内のシーズンズギフトをきっちり差し切った。
サトノインプレッサもそうだが、過去3戦とも上がり3ハロンはメンバー中最速で、どこからでも競馬ができる。
鞍上にはオーストラリアの名手ダミアン・レーンを確保した。
お気づきの方も多いだろうが、サトノインプレッサvs.ルフトシュトロームの対決は、コントレイルvs.サリオスの無敗馬対決となった皐月賞と同じく、矢作厩舎vs.堀厩舎のトップステーブル対決でもあるのだ。
軍配はどちらに上がるのか。
無観客で行われるのがつくづくもったいないと思う面白さだ。