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NHKマイルで激突する全勝の2頭。
3歳世代のGI勝利は全てが無敗馬。

posted2020/05/09 19:00

 
NHKマイルで激突する全勝の2頭。3歳世代のGI勝利は全てが無敗馬。<Number Web> photograph by Yuji Takahashi

関東は初となるサトノインプレッサ。武豊とのコンビは2戦目だ。

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島田明宏

島田明宏Akihiro Shimada

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Yuji Takahashi

 これまで、現3歳世代のGIは5戦行われ、すべて「無敗馬」が制している。

 11週目の無観客競馬として行われる今週の第25回NHKマイルカップ(5月10日、東京芝1600m、3歳GI)にも、無敗の有力馬2頭が出走してくる。

 昨年の阪神ジュベナイルフィリーズ(レシステンシア)、朝日杯フューチュリティステークス(サリオス)、ホープフルステークス(コントレイル)、今年の桜花賞(デアリングタクト)、そして皐月賞(コントレイル)。どれも無敗馬が強烈なインパクトを残して頂点に立ってきた。

 桜花賞と皐月賞が終わった時点で、その世代のGIすべてを無敗馬が勝ったのは、1984年のグレード制導入以降、もちろん初めてのことだ。

 今年のNHKマイルカップで、「無敗の優勝馬リレー」のバトンをつなぐチャンスのある馬は、前述のように2頭いる。

サトノインプレッサは力を秘めている。

 その1頭で、底知れぬスケールを感じさせるのが、3戦3勝のサトノインプレッサ(牡、父ディープインパクト、栗東・矢作芳人厩舎)である。

 母のサプレザは、英GIサンチャリオットステークスを3連覇し、日本のマイルチャンピオンシップに3年連続出走して3、4、3着となった名マイラーだった。

 その4番仔のサトノインプレッサも、過去3戦のうち2戦はマイル戦だった。

 京都芝内回り1600mの新馬戦は半馬身差、同じコースで行われた2戦目のこぶし賞は首差、阪神芝外回り1600mで行われた前走の毎日杯は3/4馬身差と、すべて小差だが、着差以上の力差を感じさせるレースばかりだった。

 新馬戦とこぶし賞は重、毎日杯は稍重と、3戦とも道悪だった。それに関して矢作調教師は、「首の低いあの走り方で、道悪が上手なわけがない」と話している。つまり、条件が合わない舞台設定でありながら、勝ちつづけてきたのだ。

 テン乗りの武豊を背に迎えた毎日杯では、直線で進路が狭くなる局面がありながら、怯むことなく間を割って突き抜けた。

【次ページ】 僚馬のコントレイルに続くか。

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