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KBOの開幕とMLBの具体案。
投手・大谷翔平は序盤から見られる? 

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芝山幹郎

芝山幹郎Mikio Shibayama

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posted2020/05/09 11:40

KBOの開幕とMLBの具体案。投手・大谷翔平は序盤から見られる?<Number Web> photograph by AFLO

3月11日、アリゾナ州テンピでのキャンプ中では最多の59球を投じていた大谷。

開催地域はできるだけコンパクトに。

 全30球団を、このなかの2地区に振り分けるのか、それとも10球団ずつの3地区制が採られるのかは、まだ決まっていない。

 球場の数、交通の便、夏の気候、宿泊施設、国内での時差といった流動的要因を勘案すると、アリゾナ+カリフォルニアという案が現実的に思えるが、これも議論の分かれるところだろう。

 以前も述べたが、春季トレーニングで各球団が集まるアリゾナやフロリダの球場は、質量ともに充実している。南カリフォルニアも、メジャーの球場が3カ所(ロサンジェルス、アナハイム、サンディエゴ)にあるし、マイナーリーグの球場を加えれば、施設の数は十分だろう。

 移動は、それに比べるとやや厄介だ。飛行機やバスでの集団移動は防疫面からも避けたいところなので、開催地域はできるだけコンパクトにしたい。アリゾナなどは、選手個人が車で楽に移動できるはずだから、場所としてはベストだ。

 ただ、選手+球団職員+メディア関係者を長期間受け容れられる宿泊施設を確保できるかどうか。まあ、ホテル以外にも別荘やリゾート施設の充実した地域だけに、衛生管理さえしっかりしていれば、不可能ではないと思う。

「無観客試合」に、視聴者は白けないか?

 もうひとつ気になるのは、「無観客試合」という状況に、テレビの視聴者が白けないかという問題だ。

 NPBのオープン戦やKBOの公式戦の映像を見る限り、観客の不在は相当に空しい。そもそも野球は、チアリーダーやマスコットをさほど必要としてこなかったスポーツだ。

 球場のオーラとは、観客の自然発生的な声援やざわめきによってもたらされてきたものではなかったか。それが不在になってしまうことのダメージは、想像以上に大きいと思う。

【次ページ】 もし万が一、選手に感染者が出たら……。

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