スポーツ・インサイドアウトBACK NUMBER
KBOの開幕とMLBの具体案。
投手・大谷翔平は序盤から見られる?
posted2020/05/09 11:40
text by
芝山幹郎Mikio Shibayama
photograph by
AFLO
2020年5月5日、韓国でプロ野球シーズンが開幕した。台湾に続いて、世界で2番目だ。
アメリカのESPNは、すかさずこの試合を全米で放送した。現地から送られてくる映像に、リモートで実況と解説を加え、東部時間の深夜1時から、電波を流したのだ。
在米の友人に聞くと、試合は無観客で行われ、ベースコーチやベンチのスタッフやボールボーイは、全員がマスク着用だったそうだ。
審判も黒マスクで、主審は手袋もはめていたという。握手、ハイファイヴ、ツバ吐きはすべて禁止で、「これは、大リーガーが辛抱できないのではないか」と笑っていた。
それでも、久しぶりに生の試合を見られたのは楽しかったらしい。名場面や再放送、歴史的ドキュメンタリーだけでは胸が躍らないからね、と彼は付け加えていた。
バットがボールをとらえる音に癒される。
もうひとつおかしかったのは、韓国の選手が、球を打ったあと、思い切り派手にバットを放り投げるアクション(バット・フリップ)だったという。大リーガーもたまにやるけど、あれほど派手じゃないね、と友人はいった。
いずれにせよ、野球に渇いていたことは紛れもない事実だから、バットがボールをとらえる音や、ボールがミットやグラヴに収まる音を聞くだけでも、ずいぶん癒されたのではないか。
あとは安全対策がうまく行くと嬉しいのだが、と友人は付け加えていた。
そう、無観客と地域限定は、感染予防の観点からいうと必要不可欠だろう。
いまアメリカで、短縮シーズン開催地の有力候補になっているのは、アリゾナ、カリフォルニア、フロリダの3地区だ(テキサス州が候補にあがったり、本拠地開催説が蒸し返されたりしているようだが、夏の気候や集団移動といった要因を考慮すると、やはりむずかしいのではないか)。