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ホークスの球場メシは宅配に値する!
Uber Eatsで実現した最強の食革命。
text by
田尻耕太郎Kotaro Tajiri
photograph bySports Graphic Number
posted2020/05/03 11:00
お客さんの声がもとになって開発された「上林選手のバヤシライス」など、Uber Eatsで頼めるメニュー。
ホークスカフェの厚い信頼関係。
ならば、単純に球団としてデリバリーに従事する従業員(アルバイト)を雇えばいいのかといえば、そんな単純な問題ではなかった。
「ドーム内のコンコースには数多くの飲食店が並んでいますが、そもそもホークスが直営する店舗は1つもないのです。ドームでの営業は業務委託ではなくテナントの直営です。試合日以外にデリバリーサービスを行うためには、テナント様に追加業務をお願いしなくてはならなかった。つまり実現には固定費がかかるということです」
難題だった。しかし、この事業に賛同してくれたのがPayPayドームでホークスカフェを運営するロイヤルホールディングス株式会社だった。
「ロイヤル様とホークスは15年以上ものお付き合いをさせていただいており、飲食事業だけでなく、ビジネス面でも上層部同士が良い関係を構築してくれたおかげで話を進めることができました」
現在、PayPayドームで実施されている、飲食店の客列導線確保(パーテーションの設置)やビッグサイズ・飲み放題メニューの開発(1リットルのリユースカップ)、メニューボード(コルトン)のLED化などは、ホークスが行ったMLB視察にロイヤルの担当者が同行して一緒に形作ったという実績も過去に築いていた。
いずれは市中のレストランから配送?
そして2018年11月にUber Eatsが福岡に進出したことが転機となって、この計画が大きく推し進められることになり、2020年4月にようやく日の目を見ることになったのだ。
現在はドーム内の店舗で調理をして配達するために宅配エリアはどうしても限られてしまう。だが、もしこれが大好評になり、ロイヤルがさらに本気を出せば市中で経営しているレストランを拠点にして、そこから様々な地域にホークスの球場グルメを届けることも可能になるかもしれない。