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カズさんの表紙はいかに実現したか。
「明るくいかないと。笑顔は大事」
posted2020/04/23 15:00
text by
Number編集部Sports Graphic Number
photograph by
Megumi Seki
創刊30周年記念の750号が「日本サッカー マイ・ベストゲーム」。
800号は「日本サッカーの進む道」。
創刊35周年記念の874号は「日本サッカーへの提言」。
Numberの「区切り号」と言えば日本サッカー、なのである。そして今回、創刊40周年記念号のテーマに選んだのが、「日本サッカー 希望の1ゴール」だ。ある1得点、をテーマに日本サッカーの歴史をひもとき、Numberの誌面を飾ってきた名選手たちに秘話を存分に語ってもらおうと考えた。
日本サッカーの歴史、そしてゴール、となれば当然それを体現する存在……カズこと三浦知良の登場は必須だ。何はさておき、インタビューと特写を依頼した。
だが、相当に余裕のある日程で相談を始めた取材のスケジュールがなかなか決まらない。そう、新型コロナウイルスの蔓延でどんどん状況が悪化し、Jリーグが延期、チームの活動も制限せざるを得なくなり、カズさんも動くに動けなくなってきたのだ。彼ほどの有名選手となれば、行動に伴う社会的責任もより重く感じるはず。軽率に取材者に接触できないのはやむを得ない。
ほとんど諦めかけていたその時。
Jの再開日程は次々先送りされ、感染者数は日々増え、緊急事態宣言があるかもという報道が出始め、締切日は目前に迫ってきた。今回はインタビューなしでカズさんの記事を作るしかないか……ほとんど諦めかけたとき、連絡が入った。
「取材人数は最小限で、インタビューは窓を開けて換気し、マスクをして短時間でやりましょう」
カズさんに依頼したテーマは「34年間のプロキャリアの11ゴール」を語ってもらうというもの。決して簡単ではない、むしろ面倒ですらあっただろうインタビューだったが、カズさんはしっかりと11のゴールの思い出を話してくれた。