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全米中がお祭り騒ぎになった4月16日。
ジョーダンとブルズが残した伝説とは?
posted2020/04/16 07:00
text by
宮地陽子Yoko Miyaji
photograph by
Getty Images
24年前の1996年4月16日、シカゴ・ブルズはレギュラーシーズン79試合目の対ミルウォーキー・バックス戦に勝利し、シーズン70勝目をあげた。それまでのNBAのレギュラーシーズン最多勝利記録は1971-72シーズンのロサンゼルス・レイカーズがあげた69勝13敗。24年間、どのチームも更新できず、不滅の記録とも言われていた数字を、『最強ブルズ』が超えた日だった。
記念すべきこの試合は、試合の内容よりも、試合前の喧騒のほうが鮮明に記憶に残っている。
試合が行われたのは、バックスの当時の本拠地、ブラッドリー・センター。ブルズにとっては敵地だが、2つの町は距離にして約150kmと比較的近く、平日の夜の試合にもかかわらず、多くのブルズ・ファンがシカゴから押し寄せた。会場を埋めたファンの半分近くはブルズ・ファンだったという記憶がある。
当時のメモを見返すと、この試合の取材に集まった報道陣は約500人で、当時のオールスター戦のメディアの数を上回っていたとある。
移動中のチームをヘリとファンが追いかける!
この日の午後、ブルズは大型バスでミルウォーキーまで移動した。シカゴからだと飛行機に乗るより速いのだ。
当時、筆者も取材のために車で会場に向かったのだが、道中で偶然、ブルズの選手たちが乗っていたバスを見かけたので、しばらく同じスピードで近くを走ってみた。すると、空の上からはヘリコプターの音が聞こえる。ブルズのバスを空の上から追跡していた地元テレビ局だった。
さらに、高速道路の上の橋からは、ファンが歓声をあげている。
ヘリコプターからの中継を見て待ち構えていたのか、それとも朝から何時間も待ち構えていたのか。そもそも、上から見てブルズの選手たちが乗っているバスだとわかったのかも疑問だ。しかし、それでも一目見たいというファンが大勢いた。
このシーズンのブルズにとっては見慣れた光景だった。