熱狂とカオス!魅惑の南米直送便BACK NUMBER
本田圭佑ブラジル移籍の仕掛人激白。
「4年越しの悲願」と交渉の舞台裏。
text by
沢田啓明Hiroaki Sawada
photograph byMarcos Leite
posted2020/04/13 20:00
本田圭佑をブラジルの地に導いたレイチ氏。2人ともに未知の世界に挑戦しようとの意欲を感じさせる。
本田の移籍で一躍有名代理人に。
しばらくブラジルを離れていたこともあって、今年初めまでレイチ氏はブラジル国内でほとんど無名だった。しかし、本田圭佑のボタフォゴ入りを実現させたことで一躍、有名代理人の仲間入りをした。
ボタフォゴ・ファンからは「本田をブラジルへ連れてきた最大の功労者」と称賛され、ヒーロー扱いすらされている。しかし本人は「ケイスケのボタフォゴ入りを実現させた最大の要因はファン」と繰り返し、「彼らは本当に素晴らしい。僕自身が彼らのファンなんだ」と謙虚な姿勢を崩さない。
こういう男は、自己主張が強いブラジル人としてはかなり珍しい。そのことも、本田と本田のスタッフの信頼を勝ち得た理由の1つだろう。
本田圭佑は、ボタフォゴでまだ1試合しかプレーしていない。にもかかわらず、地元メディアは「今後のボタフォゴに欠かせない選手」と評価し、クラブ関係者とファンはチームの中心選手の1人として扱う。
本田がブラジルへやってきて、“古豪”ボタフォゴに加入する。これほどまでにファンから愛され、わずか1試合プレーしただけで「クラブの顔」になる――これらのすべてが、少し前まで想像できなかったことばかりだ。
そして、かかる“奇跡”を仕掛けたのが、この代理人らしからぬ代理人なのである。
本当に、フットボールの世界では何が起きるかわからない。