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筒香嘉智、MLB1年目に迷いはない。
「バット1本だけ持って勝負しに」

posted2020/03/22 11:40

 
筒香嘉智、MLB1年目に迷いはない。「バット1本だけ持って勝負しに」<Number Web> photograph by Hirofumi Kamaya

1月12日、筒香嘉智は中学時代に所属した堺ビッグボーイズで、選手たちと楽しそうに野球の練習に興じた。

text by

鷲田康

鷲田康Yasushi Washida

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Hirofumi Kamaya

プロ入りから10年を過ごした横浜を離れ、移籍先に選んだのはタンパベイ・レイズだった。幼い頃からの夢の舞台に満を持して乗り込む、日本を代表するスラッガーに心境を聞いた。現在発売中のNumber999号では<ベイスターズをのぞいてみよう!>特集を掲載しています。そこで、昨季まで横浜の主砲だった筒香嘉智にインタビューした996号(2020年1月30日発売)の記事を全文掲載します!

 大阪・難波駅から南海高野線の急行に乗って1時間弱。和歌山県北部を流れる紀ノ川沿いの山間に、筒香嘉智の生まれた橋本市はある。

 ここで筒香はガソリンスタンドを営む父・和年さんに勧められ、小学校2年生から少年野球チームに入って本格的に野球を始めた。学校から帰ると練習に明け暮れた毎日の楽しみは、夕食後にビデオに収録したメジャーリーグの試合を観ることだった。

「とにかく凄いホームランを打つ選手が好きで、日本のプロ野球では巨人時代の松井秀喜さんの試合をよく観ていました。ただ、サンフランシスコ・ジャイアンツ時代のバリー・ボンズを観て、一発でファンになってしまいました。それからはボンズの試合があるとそっちを観ることが多くなっていきました」

 メジャーリーグの試合は小学生の筒香が学校に行っている午前中に中継されていたので、兄の裕史さんに頼んでビデオに録ってもらった。学校から帰ると野球の練習をして、夕食後にテレビの前に陣取りビデオを観るのが日課だった。

「ボンズのホームランの映像は、本当にビデオが擦り切れるほど何度も、何度も観ていました」

 学校の教室の壁に将来の目標を張り出したときに「バリー・ボンズになる」と書いたのもこの頃のことである。

条件面で上回るチームもあったというが。

 それから20年の月日が流れ、夢はいま現実のものとなった。

「嬉しい。的確な表現がわからないけど、ただホッとしているという感覚はないです」

 タンパベイ・レイズと正式契約を交わし、昨年12月17日(日本時間同18日)に本拠地トロピカーナ・フィールドで会見を行なった筒香は、ようやくメジャーの門を叩くところまでたどり着いた心境をこう語った。

 2年契約で年俸総額は1200万ドル(約13億2000万円)。背番号は横浜時代と同じ25番。現地報道では条件面ではレイズを上回るチームもあったと伝えられるが、それでも筒香はなぜレイズを選び、このチームでどんなプレーを目指そうとしているのだろうか――。

【次ページ】 不安っていうのは結果が解決する。

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