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秋山翔吾が抜けた西武の外野手争い。
森友哉と通ずる川越誠司の貴重な才。
text by
市川忍Shinobu Ichikawa
photograph byKyodo News
posted2020/03/05 07:00
昨季は一軍出場はなかったが、イースタンリーグで8本塁打を記録した。
レギュラー奪取へ、静かに闘志を燃やす
川越は言う。
「春季キャンプの打撃練習や紅白戦では、ゴロではなくて、ライナー性の打球、ライナーよりもっと飛距離のある打球を打つことを心がけてきました」
広角に打てる技術や、パンチ力などを武器に、プロ入り初の開幕ベンチ入りをねらう。
レッズへ移籍した秋山翔吾が抜けたポジションを争う選手は、川越のほかに入団4年目の鈴木将平、川越と同期の入団5年目・愛斗ら数選手。昨年、レギュラーとして活躍し、すでに実績のある金子侑司、木村文紀は除いたとしても、同じようにレギュラーの座を目指し、ギラギラと闘志を燃やしている選手は当然多い。
「でも、ライバルという感じではありません。みんな仲が良くて、相談もする。心の中では『俺がやってやる』と思っているかもしれませんけど、表には出さないですね」(川越)
二軍でのリハビリ時代、黙々とバットを振る姿をたびたび目撃されていた川越もまた、言葉や表情には出さず、静かに闘志を燃やすタイプの性格である。
「目標は一日も早く一軍に上がることですね。外野のポジション争いは厳しいですけど、チャンスをつかみたい」
少しだけ回り道をした逸材が、完全開花するシーズンとなるのか。そのプレーに注目したい。