“ユース教授”のサッカージャーナルBACK NUMBER
川崎・登里享平に再び聞いてみた。
「もう、マンネリはないですか?」
text by
安藤隆人Takahito Ando
photograph byTakahito Ando
posted2020/03/04 19:00
Jリーグ開幕戦、左サイドで存在感を示した登里。あらゆるアタッカーの特徴を生かすプレーに注目したい。
このユニフォームを着るだけで。
迎えたJ1開幕戦。ホームにサガン鳥栖を迎えたこの一戦で、彼は左サイドバックとして堂々とスタメンフル出場を飾った。
終始、川崎が主導権を握る展開の中で、登里は効果的に高い位置に張り出し、正確なボールコントロールとパスでテンポを作り出した。65分までは左サイドハーフの長谷川の動きに連動すれば、大卒ルーキーの三笘薫が投入されると、フリーランニングを増やして彼のドリブルコースを開ける動きをしたり、ドリブルに対して距離感を縮めてサポートするなど、磨き上げた武器を存分に発揮した。
スコアこそ0-0のドローに終わったが、左サイドに君臨する背番号2は風格すら漂っていた。
試合後のミックスゾーン。本人に「もう、マンネリという言葉はないですか?」と問うと、はっきりと答えた。
「もう消え去りましたね。今見えているのはもうこれからです。すべてはこれからの自分の気の持ち方、行動次第で道筋が変わりますから、この先にもっとこのユニフォームを着てプレーできるように全力を尽くす。それだけで僕の心は突き動かされますから」