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選手権躍動の“2年生10番”須藤直輝。
進学かプロか、揺れる高校生の本音。

posted2020/02/29 08:00

 
選手権躍動の“2年生10番”須藤直輝。進学かプロか、揺れる高校生の本音。<Number Web> photograph by Takahito Ando

春に高校3年生となるMF須藤直輝(昌平高校)。すでに多くのJクラブから関心が寄せられている。

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安藤隆人

安藤隆人Takahito Ando

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Takahito Ando

 第98回全国高校サッカー選手権大会。埼玉県代表の昌平高校は、同校史上初となるベスト8に進出した。準優勝した青森山田高校に2-3の敗戦を喫したが、前線が流動的に動き、テンポよくボールを運ぶクリエイティブなサッカーはサッカーファンに大きなインパクトを与えた。

 その中で、最も多くの注目を集めたのがMF須藤直輝だ。1年生の時から「10番」を背負い、2年生ながらキャプテンマークを巻いた。多彩なテクニックで相手の逆を突く切れ味鋭いドリブルなどで昌平の攻撃の中枢を担い、青森山田戦でも反撃ののろしをあげるゴールを奪って見せた。そのプレーぶりは多くのJスカウトを魅了し、早くも来年度の補強の目玉となっている。

 選手権から約1カ月半。彼は今、何を思っているのか。話を聞きに昌平に向かった。

 埼玉県東部にある杉戸町に学校がある。同校の教頭であり、サッカー部を率いる藤島崇之監督に迎え入れられ、会議室で待っていると、制服姿の須藤が入ってきた。

浮かれずに、本質を見ないといけない。

「選手権を通じて(自分への)注目度は上がっていますが、自分のやるべきことをしっかりと見つめてやろうと思っています。自分自身をすごい選手と思っていないので、現実を見ながら、本質を見ないといけない。何らかの運命というか、境遇でここにいると思っているので」

 意外だった。ピッチ上では堂々としていて、その相手の虚を突くプレーはふてぶてしさすら感じるが、目の前にいるのはそれとはまったく違う、落ち着き払った1人の高校生だった。

「ピッチに立てば自分を出そうという意志がある。サッカーが大好きなので、そこはスイッチが入るんですが、普段は慎重派というか。結構人を見たり、一度飲み込んで考えたりするタイプなんです」

 思わぬ話から始まったインタビューだったが、彼の考え方や現在の心境、そして将来への展望を聞いていくうちに、1人の高校生から岐路に立たされた1人のサッカー選手に変わっていった。それは進路について話が及んだ時のことだ。

【次ページ】 プロに進むか、大学に進むか。

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