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レスリング文田、五輪第1シード確定。
「投げてナンボ」で金を目指す。

posted2020/02/28 11:30

 
レスリング文田、五輪第1シード確定。「投げてナンボ」で金を目指す。<Number Web> photograph by KYODO

昨年のアジア選手権では敗者復活戦を勝ち上がっての銅メダルだった文田。見事雪辱を果たし、3年ぶりの優勝を果たした。

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矢内由美子

矢内由美子Yumiko Yanai

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KYODO

 昨年の世界レスリング選手権を制して、レスリングの東京五輪内定第1号になっていた男子グレコローマン60キロ級の文田健一郎(ミキハウス)が、このほどインド・ニューデリーで開かれたアジア選手権でも3年ぶりに優勝し、ポイントにより、東京五輪での「第1シード」を確実にした。

 トップシード確定も日本勢では第1号。1984年ロサンゼルス五輪男子グレコローマン52キロ級の宮原厚次以来、36年ぶりとなるグレコローマンの金メダルを東京五輪で獲得すべく、順調に強化を進めている。

3試合を通じて無失点。

 アジア選手権は、全試合無失点勝利による貫禄の優勝だった。

 2回戦から登場すると、まずは昨年3位のギャネンダー・ギャネンダー(インド)に1分38秒でテクニカルフォール勝ち(9-0)。続く準決勝では昨年優勝のイスロムジョン・バクラモフ(ウズベキスタン)に3分23秒でテクニカルフォール勝ち(9-0)し、決勝では18年世界選手権2位のゾラマン・シャルシェンベコフ(キルギス)を4-0で下した。

 今回は文田にとって東京五輪前の最後のリミット計量(2日目は+2キロ)による試合だった。そこでしっかりと勝ち切れたのは収穫だ。

「課題としていた得意のスタンドではポイントをなかなか取れなかったのですが、パッシブを与えることもなく、試合を思うようにコントロールして展開できた。ポイントを一度も与えなかったのは世界選手権が終わってから取り組んできたことが身になっているのかなと自信になりました」

 そう話す口調からは、結果だけでなく試合内容も及第点だととらえている様子が伝わる。3試合を通じて無失点だったことも笑顔の要因だ。

【次ページ】 スタンドで組ませてくれなくなっている。

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