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ワイルダー撃破の“踊れる”英国人。
ヘビー級頂上決戦、完璧な勝ちっぷり。

posted2020/02/25 20:00

 
ワイルダー撃破の“踊れる”英国人。ヘビー級頂上決戦、完璧な勝ちっぷり。<Number Web> photograph by Getty Images

互角とも言われた予想を覆し、完璧な試合運びでワイルダー(左)を撃破したフューリー。ドローで終わった前回対戦の因縁にも決着をつけた。

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杉浦大介

杉浦大介Daisuke Sugiura

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 英国人エンターテイナーのワンマンショーだった。そのオールラウンドな強さは、“現代の覇者”の台頭を印象付けるに十分だった。

 2月22日、ラスベガスのMGMグランドガーデン・アリーナで行なわれたWBC世界ヘビー級タイトルマッチで、元統一王者のタイソン・フューリー(イギリス)がここまで42勝(41KO)1分という快進撃を続けてきた王者デオンテイ・ワイルダー(アメリカ)に7回TKO勝ちで完勝。戦績を30勝(21KO)1分に伸ばすとともに、初対決ではドローだったワイルダーとの因縁に決着をつけた。

「キングが王座に戻ったぞ!」

 試合後、リップサービスの得意なフューリーはリング上でそう叫び、大観衆と御大ボブ・アラム・プロモーターまで巻き込んでドン・マクリーンの名曲『アメリカン・パイ』 を大合唱した。あまりに完璧な勝ちっぷりとあって、今回ばかりは何を言っても、何をしてもファンは受け入れただろう。

誰も予想できなかったパーフェクトゲーム。

 2018年12月、両者の第1戦ではフューリーがアウトボクシングしたものの、ワイルダーが終盤に2度のダウンを奪うというドラマチックな内容だった。2人の実力は伯仲していると目され、再戦でも戦前予想はほとんど50/50だった。

 しかし、実際にゴングが鳴ってみれば、フューリーは誰も予想できなかったレベルのパーフェクトゲームを遂行する。序盤に鋭いジャブと右パンチで先制すると、左耳から出血させてワイルダーのバランスを消失させ、以降も有効に距離をコントロールした。3回に右フック、5回には左ボディでダウンも奪い、絶対優勢を印象付けた。

【次ページ】 これから反撃するつもりだったのに。

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タイソン・フューリー
デオンテイ・ワイルダー

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