ワイルダーとの再戦、ジョシュアとの決戦も。

「ワイルダーとの間に再戦（第3戦）条項がある。ただ、これだけ完璧にやられたあとで、即座にまた戦いたいと思うかどうか」

　フューリーの米国内のプロモートを取り仕切るトップランク社のボブ・アラムがそう言及していた通り、まずはワイルダー側が30日以内にリマッチ条項を行使するかが見どころになる。その後、WBA、IBF、WBOという3つのタイトルを持つ英国のもう1人の雄、アンソニー・ジョシュアとの最終決戦が視界に入ってくるのだろうか。

　久々にラスベガスを大興奮させた巨大なタイトル戦を終え、世界のヘビー級戦線が大きく動き出そうとしている。新たなムーブメントの中心にいるのは、31歳にしていまだ底知れぬ力を秘めた“歌って踊れるイギリス人”。すでにウラジミール・クリチコ（ウクライナ）、ワイルダーという2人の安定王者を明白に撃破したフューリーは、歴史に名を残すヘビー級王者として認められるまでもうあと1、2勝のところにいる。

　2020年後半から来年以降も、フューリー主演のエンターテイメントがさらに大きな脚光を浴びることは間違いない。