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G大阪の秘密兵器は“FW”小野瀬康介。
宇佐美貴史を超えるというリスペクト。
posted2020/02/06 11:30
text by
下薗昌記Masaki Shimozono
photograph by
Masaki Shimozono
2度にわたる沖縄キャンプを打ち上げたガンバ大阪が、開幕に向けて「秘密兵器」に磨きをかけている。
キャンプ最終日の2月1日、京都サンガと行った練習試合でガンバ大阪は6-1で圧勝した。抜群のキレを見せている宇佐美貴史は、4得点の大暴れに加えてポスト直撃弾も放つなど昨年終盤の好調さを維持。そんな和製エースと2トップを形成したのが過去1シーズン半、サイドを主戦場としてきた小野瀬康介だった。
昨年12月、小野瀬は迷いに迷っていた。攻撃サッカーでJリーグを席巻し、15年ぶりのリーグ王者に輝いた横浜F・マリノスからオファーを受けていたのだ。
待遇面もさることながら、小野瀬が魅力を感じたのは良質な攻撃サッカーを貫いてきたチャンピオンチームで、前線の駒として計算されていることだった。アンジェ・ポステコグルー監督が小野瀬の存在に目をつけていたという。
「待遇面もプロとして大事な条件。それもあるけど、点を取れるポジションで出るのか、ガンバでもう一回、タイトルを目指すのか」
もっと前線、ゴールに近い位置で。
2018年は途中まで所属したJ2レノファ山口で25試合10得点をマークしていた小野瀬だが、昨年は公式戦で8得点。「もっと前で使ってくださいと言いたいですけど、それは胸にしまっておきます」と冗談めかしながらも、秘めた自信を口にしていた小野瀬。点も取れるサイドのハードワーカーというイメージが強くなる一方で、膨らんでいたのは前線に近い位置でのプレーへの渇望だった。
横浜F・マリノスの誠意ある交渉に「70%ぐらいはマリノスに行くつもりでいたんですけど、それがひっくり返るぐらい熱心に引き止められました」。松波正信強化アカデミー部長はもちろん、宮本恒靖監督、そして山内隆司社長までもが攻守のキーマンを説得したという。