フィギュアスケート、氷上の華BACK NUMBER
フィギュア女子、驚異のロシア勢。
強さの鍵、ジャンプのルーツを探る。
posted2020/01/28 11:30
text by
田村明子Akiko Tamura
photograph by
Maja Hitij/Getty Images
1月26日、オーストリアのグラーツで開催されていたフィギュアスケートの欧州選手権が終了した。
この大会では男女シングル、ペア、アイスダンスの4種目すべてでロシアがタイトルを総なめにしただけでなく、なんと12個のメダルのうち10個をロシアが獲得。
特に女子とペアでは表彰台を独占して、表彰式では3枚のロシア国旗が並んで掲げられた。
男子では7年連続タイトルを手にしていたスペインのハビエル・フェルナンデス選手が昨シーズンを最後に引退。また5年連勝して欧州では不敗の強さを見せてきたフランスのアイスダンサー、ガブリエラ・パパダキス&ギョーム・シゼロンに細かいミスが出たことなど、理由はいくつかある。
だがスケート大国として伝統あるロシアが、その骨太な強さを改めて世界に誇示する大会になったことは間違いない。
転倒があっても4位とは大差。
中でも女子の表彰台独占は、予め想定されていた。
アリョーナ・コストルナヤ、アンナ・シェルバコワ、アレクサンドラ・トゥルソワの3人は、今シーズンシニアデビューして以来、GPファイナルの表彰台も独占し、他の選手たちを寄せ付けない圧倒的な強さを見せてきたのである。
フリーでは珍しく3人とも転倒があったものの、4位に大きく差をつけてメダルを手にした。
「フリーではミスがあって、自分での評価は(ABCの)Cです。ヨーロッパチャンピオンになれるとは思っていなくて、サプライズの嬉しい結果でした」と優勝したコストルナヤは厳しい自己評価をした。