リーガ・エスパニョーラ最前線BACK NUMBER
夢を叶えた新監督セティエン。
バルサを“本来の姿”に戻せるか?
posted2020/01/24 11:40
text by
横井伸幸Nobuyuki Yokoi
photograph by
Getty Images
バルセロナの突然の監督交代は、地元メディアの番記者をも驚かせたようだ。
バルベルデの立場が危ういことは、かなり前から知られていた。そもそも彼は、昨季のCL準決勝(リバプール相手に第1戦を3-0で勝ち、第2戦を0-4で敗れて逆転負け)での敗れ方によって、一旦は役員会に見切りをつけられている。今季も監督を続けられたのは「チーム改造」を条件に、バルトメウ会長に許されたからだ。
しかし、それが足枷となってチームの歯車は噛み合わなくなった。
バルベルデは自ら植えつけた堅実な守備を犠牲にして、バルトメウの要求を満たそうと努めたが、好ましい効果は現れず、ただ失点が増えたのみである。
昨年の11月初頭、リーガ第12節レバンテ戦で今季3敗目を喫すると、役員会は改めてバルベルデの力量を疑問視するようになった。バルトメウは12月のR・マドリー戦を見て、会長としてなすべきことをクリスマスのリーガ中断期に潜考した。
アビダルらがシャビに会いに行った。
中断期が明けて迎えた最初の一戦で、バルサは最下位のエスパニョールと引き分けた。試合終了間際に追いつかれるという最悪の形で。
続くスペイン・スーパーカップではアトレティコに2-3で敗れた。称えられるレベルのパフォーマンスをもって80分まで2-1でリードしていたにもかかわらず、である。
バルトメウは、遂に後任探しを始めた。
ただし、当初は即刻交代させるつもりはなかったらしい。春になったら今季末で切れるバルベルデとの契約を延長しないこと、さらには来季の仕切り直しを発表するというのが計画だったとも言われている。
ところが、「スポーツディレクターのアビダルとGMオスカル・グラウが、現在ドーハでアル・サッドを指揮するシャビに会いに行っている」と、バルセロナのラジオ局がすっぱ抜いたのである。