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万全のウッズが2020年に狙うこと。
史上最多の83勝目、東京五輪にも?
text by
舩越園子Sonoko Funakoshi
photograph byAFLO
posted2020/01/21 11:50
年末のプレジデントカップでも、ウッズの表情は明るかった。万全で向かう2020年、今年もウッズは強そうだ。
最初で最後の五輪出場が東京に?
幸せな気持ちで44歳の誕生日を迎え、意気揚々とファーマーズ・インシュアランス・オープンに臨もうとしている今のウッズは、久しぶりに「理想的な状況」にある。その中で、キーワードになるのは「44歳」だ。
ウッズは東京五輪に「出たい」と、強い意欲を示している。なぜ、それほど渇望しているかと言えば、44歳という年齢を考慮すれば、今年の東京五輪はウッズにとって生涯でただ一度、最初で最後の五輪出場のチャンスになるという見方が現実的だからだ。
メジャー16勝目を挙げてジャック・ニクラスのメジャー18勝に近づくことができるかどうか。これも現実的には、きわめて厳しい。ちなみに、44歳の誕生日を迎えた後にメジャー大会で勝利した選手、オールド・トム・モリスからニクラス、リー・トレビノ、へール・アーウィンまで過去わずか8人しかいない。そして、彼らが40歳代後半で挙げた最後のメジャー優勝は、いずれも奇跡のような勝ち方だった。
その奇跡がウッズにこれから2度、3度と訪れてくれるかどうか。運も大いに必要であると言わざるを得ない。
「その先の可能性は誰にもわからない」
ただ、「運」という不確かなものを望む一方で、今のウッズには確かなものが明らかにある。再び勝てたという実績と自信。トンネルを抜け出すために試行錯誤して、見えなかった光を再び掴み、自らの頭上に輝かせているという見事な復活のプロセスと結果だ。
「バラバラだったピースをすべて繋ぎ合わせる作業は僕が今までもやってきたことであり、今回もやることができた。いろんな勝ち方でメジャーや大会を制した。その先の可能性は、もはや誰にもわからない」
Who knows ?――そう、神のみぞ知る神秘的な可能性が、今、確かな土台の上でうごめいている。だからこそ、ウッズへの期待はますます高まっている。