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日本ゴルフのプロアマは超厚待遇?
勝負とおもてなしの妥協点はどこか。

posted2018/06/25 08:00

 
日本ゴルフのプロアマは超厚待遇?勝負とおもてなしの妥協点はどこか。<Number Web> photograph by Yoichi Katsuragawa

片山晋呉の対応に落ち度があったことは間違いない。そのうえで、プロアマの形式については再検討の余地もあるのではないだろうか。

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桂川洋一

桂川洋一Yoichi Katsuragawa

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Yoichi Katsuragawa

 ワイドショーの影響力はかくも偉大なものか、なんて思う今日この頃だ。

 日本の男子プロゴルフツアーを統括する日本ゴルフツアー機構(JGTO)は、5月末の日本ツアー選手権森ビルカップのプロアマ戦で、ゲストに対する非礼があったという片山晋呉への処分を検討することを明らかにした。外部の弁護士からなる調査委員会を設け、6月内に処遇を決定するという。

 実際の試合でのルール違反ではなく、大会前日のプロアマ戦というゴルフトーナメント独自のイベント内での出来事に罰が課せられるのは異例のこと。

 それに何せ、最近の男子ゴルフ界でのニュースがたちまち、お茶の間にまで響き渡ったことも異例だった。

大会にとって重要なビジネスツール。

 さて、問題のプロアマ戦とは何か。

 概要から記すことにする。

 プロアマ戦は大会の直前(まれに直後)に開かれる、大会スポンサー関係者とプロゴルファーとの懇親ゴルフのことである。実際にプロとアマチュアがチームメイトになって出場するツアー競技も海外にはあるが、今回はその意味ではない。

 先の日本ツアー選手権を含め、多くは開幕前日に実際の試合会場で行われる。大会を翌日に控えた100人以上のプロ選手の中から数十名がピックアップされ、プロゴルファーひとりにつき、アマチュアが3人ないしは4人が組を作って一緒にプレーする。組ごとのスコア(ルールはイベントによって違う)で、成績に応じて景品や賞金がかかることも多い。

 参加するアマチュア(ゲスト)は各大会を金銭的にサポートする会社の幹部や関係者が招かれることがほとんどだが、その「プロと一緒にプレーできる権利」を売って大会の儲けにするビジネスもある。

 ギャラリーの入場料収入だけでは開催費用をまかなえない多くのゴルフトーナメントにとって、プロアマは欠くことのできないビジネスツールで、4大メジャーなどを除く世界中の大会で採用されている。

【次ページ】 何をもって“おもてなし”とするか。

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