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リバプール右SBアーノルドが持つ、
ジェラード級の潜在能力って何だ?
text by
粕谷秀樹Hideki Kasuya
photograph byGetty Images
posted2020/01/14 11:40
ここ数年で成長著しいアーノルド。サラー、マネ、フィルミーノはもちろん、南野拓実へのおぜん立ても目にしたいところ。
アーノルドを1列前で使えないか。
アレクサンダー・アーノルドを1列前で起用できないだろうか。
アカデミーで腕を磨いていた当時、アンカーとしての適性も確認されている。前述したキックのバリエーションは、最終ラインよりも中盤の方が効果的だ。インサイドキックでより強く、正確にインパクトできるようになれば、リバプールの偉大なる先達、スティーブン・ジェラードの領域まで迫れるに違いない。
フランスは、中盤センターにエンゴロ・カンテ(チェルシー)とポール・ポグバ(マンチェスター・ユナイテッド)を擁している。スペインのアンカーはシティでも異彩を放つロドリゴ、バックアップがバルセロナのセルヒオ・ブスケッツだ。
イタリアはジョルジーニョ(チェルシー)とマルコ・ベッラッティ(パリSG)がおり、ドイツではトニ・クロース(レアル・マドリー)とヨシュア・キミッヒ(バイエルン)が2センターバックの前でにらみを利かせる。ベルギーもアクセル・ビツェル(ドルトムント)、ユーリ・ティーレマンス(レスター)と強力な2枚だ。
イングランドはライス? ウィンクス? ダイアー?
率直に言って見劣りする。中盤インサイドは、デル・アリ(トッテナム)、メイソン・マウント(チェルシー)、ヘンダーソン、マディソンなど数多くのタレントを揃えている。
つまり、アンカーにアレクサンダー・アーノルドを起用できさえすれば、中盤のグレードアップに疑いの余地はない。そのためにもトリッピアー、ワン・ビサカ、ウォーカーは現状に満足せず、さらなるレベルアップが望まれる。
ジェラードも絶賛のビルドアップ。
リバプールもイングランド代表も、アレクサンダー・アーノルドをアンカーに起用する予定はいまのところない。
しかし、あのジェラードも「ビルドアップの能力は世界水準」と可愛い後輩を絶賛していた。
リバプールでロベルト・フィルミーノ、サディオ・マネ、モハメド・サラーを操り、イングランド代表ではハリー・ケイン、ラヒーム・スターリングとの絶妙の連携を見せるときが、いつか必ず訪れると信じて──。